第31話 魔法総攻撃!



 「っ」


 みんな半信半疑だった……


 ……クリスタルドラゴンは人知れず町に近づき、気が付く頃には一撃で全てを破壊する。


 対応すら出来ず命を散らす……災害。


 そんな相手が今、町から遠く離れ、魔王様が指定した場所に大きな音を立てながら墜落してきたのだ。


 「総員!攻撃いいいいいいい!」


 「「「「うおおおおおおおお!!」」」」


 魔王ウジーザス四天王の1人の掛け声を皮切りに様々な魔族達が魔法による攻撃を始める。


 「!!!!」


 数々の超級魔法攻撃はクリスタルドラゴンだけではなく周りの地面も抉り砂埃が舞い上がり姿を隠すが攻撃は止まない。


 「まだまだぁ!全て撃てえええ!」


 片翼の巨体はあたり一面にクリスタルの鱗を飛び散らす。


 「うおおおおお!」


 超級魔法__魔法陣の大きさ、繊細さに付け加え、大量の魔力と時間を要する代わりに、一撃必殺と言っていいほどの威力を発揮する魔法。


 もしもこれを誰もが普通に使えるような世界ならばこの星の形は球体を保てていないだろう。


 全てを撃ち終わる頃には砂埃が雲まで届いて目標は見えなくなっていた……


 「……………」


 何万人と居る冒険者達は誰も言葉を発さずにただただ結果を待つ……


 「……」


 手応えはあった。


 「……」


 事実今見ている時は何も動きはない。


 「や、やったか?」


 クリスタルドラゴンに対して初めての超級魔法での試み……


 


 ______だが





 「ーーーーーーーー」




 バキバキと言う音と共に砂埃の中から浮かび上がるドラゴンのシルエット。


 

 「うそ……だ」



 「ーーーーー!!!」


 声帯を持たないクリスタルドラゴンはその大きな“両翼”を羽ばたかせ周りの砂埃を払った。


 「そ、総員!退__」


 退避と、言い終わる前にクリスタルドラゴンの翼から飛んできたクリスタルの鱗が頭に命中し吹き飛ぶ。




 「「「っ!!!!!!」」」




 ボトッ




 と首が地面に落ちた音を出発音とし統率が取れていた冒険者達はバラバラに悲鳴をあげながら『災害』から少しでも遠くへと逃げ出した。



















 

 

 

 

 


 

 

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