第23話 魔王様に報告!……プラチナ試験!
「……」
「……」
「……ふむ」
気まずい……何だろう、空気が悪い。
「魔王様に会うのは初めてか?」
「う、うす、普通の人が会えるもんじゃないんで」
現在、魔王城のエレベーターで3人乗り込み上に向かってる。
別にアポを取らなくても魔王様のことだから此方を見ているのだろう。
「そうか……」
「うす」
…………あれ?話終わった?
「……」
「……」
うーん、これはちょっと話さないといけないなぁ
半分は僕が作ってしまった状況だし
「君たちは仲が悪いのか?」
「!?」
「あ、えと……」
「何も言わなくて良い、見れば分かる……私も前、学校のクラスメイトで苦手な人がいてな、何だかんだ最後まで苦手だったよ」
「……」
「だが今はあの時ちゃんと話せば違った未来じゃなかったのかって思っている、こう言うのは必ずどちらかが壁を作って話し合いにもならない状況なんだ……私はその人を避けていた」
まぁ、こんなこと言っても和解する前に死んだんだけどね。
和解……出来てたのかなぁ……
「……」
「……」
お互いに顔を見合わす2人。
「一度帰ったら私は席を外すから話してみてくれ」
「……はい」
「うす……」
少しするとエレベーターが開いた。
「おかえりなさい2人とも、そしてようこそ、ライトナルグさん」
やはり見ていたんだろう、当然の様に奥の社長デスクから優雅に紅茶を飲みながら魔王はそう言った。
「っ!」
ライトの身体が強張り
「ま、魔王様、こ、この度は本当に申し訳ありませんでした!」
素晴らしい姿勢の土下座を披露した。
「……最近は土下座をする若者が増えましたね」
魔王様はチラッとマンタティクスを見るが目を逸らす。
「顔をあげてください、私の顔に泥を塗る様な真似をしてるんですから、謝って済む問題ではない事くらい……成績優秀なアナタはわかってますよね?」
「っ!!!」
「ですので、アナタの人生はここで無くなりました、後は救われた命、私のために使ってくださいね?」
「は、はい」
なるほど、やっぱり魔王といえばこの人も魔王なんだな。
「もっともこの場でアナタを殺そうとしてもそこに居るネバーさんが止めてたでしょうけど」
「……」
いや、そんな気は無かったが、ま、いっか
「ありが__」
「もう喋らなくて結構です」
うお、なんか僕達より当たりがキツくない?
「……」
「さて、アナタ達の話は“見ていました”……彼ならば成績も優秀で問題ないでしょう、それにアナタ達に今足りないものを補うにはちょうど良いでしょうしね」
「足りないもの?」
……マスターはそう言うが魔王の言いたい事は僕には分かった。
「“知識”です」
「うっ……」
そう……正直、僕はマスターの学生時代の教科書を見て勉強して解ったけど、マスターは思ったよりも知識がない。
後から来た僕の方が色々覚えてる自信がある。
何と言うか……命がかかってるのに危機感が無い……
「しかしパーティーとは元々そういうものですよ、リーダーが自分の抜けた穴を埋めるためにお互いの利害の一致で組む、ですよね、ライトナルグさん」
「……はい」
「それに伴い、マンタティクスさんのパーティーにはプラチナ昇格試験を受けてもらいます」
「本当ですか!」
「ほう……」
きたきたきたきたきた!
「職業に戦士がいるのなら私も気兼ねなく昇格試験を出せます、流石に採取専門を上げるのは反発を買いますからね」
「やった!」
「当然だな」
よっしゃぁ!
「追ってギルドから連絡があるでしょう、今日はゆっくりとしていてください」
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