第6話 概ね理解!……暇!

 

 「ふむふむ……なるほど」


 あれからマスターが冒険者のギルドに行くと言って家を出る際に色々と資料を出してくれた。


 「紙、というか、魔物の素材で出来ているので魔皮紙、と言うのか」


 ちなみにこの資料はマスターが学校に通ってる頃の教科書だ。

 

 文字とかはそのまんま日本語で書かれてる……これは女神様が僕でも見れるようにしたのかな?

 

 どうやら、この世界では学校に行くのは自由らしい。

 ただ、ある程度基礎知識が無いと世の中やっていけないから行くと言う自主性みたいだ。


 冒険者ギルドと言うのは商売関係やもろもろあるが僕たちのイメージしてる様に魔物を狩る依頼を受ける場所でもあるみたいで安心した。


 「“魔物”と言っても魔王が支配しているのではなくて魔法を使ってくる動物という意味みたいだな」


 元々“動物”という表現を“魔物”と言って使ってるので元の世界とごちゃごちゃにならない様にしないと……


 「ある程度の事は解った、あとは実戦だな」


 と言ってもそこが問題なんだなぁ。

 そこら辺の物をぶっ壊すわけにもいかないし……


 「まぁギルドに登録を済ませると依頼をこなせるようになるみたいだし、それまでステイだなステンバーイステンバーイ」


 マスターの役職はテイマー。


 つまり僕を使って狩りをする人か……


 「テイマー……本来なら魔物を半殺しにした後『契約の鎖』で自分の相方にするらしいが……どうやらマスターは何か抜け道を使った様だな?それでこの世界に召喚された」


 異世界転生か……


 「普通の漫画とかアニメなら身体能力が上がってる、はず」


 でも正直どれくらいか解らないな。


 僕の読んでたラノベでは身体能力は据え置きで死んだらセーブポイントに戻る人とか居たし……


 「いや、でも女神様が最強の体って言ってたからその方面はないな」


 そう言いながらどこにでもありそうな座布団を半分に折って寝転がる。


 「…………暇だ」


 マスターが行って何時間経ったのだろう。

 

 「あ、そういえば、名前をお互いに知らないな?」


 名前……名前か……元々のタカノリって名乗るのもいいけど本当の名前とか名乗ったらどっかのジブ○作品みたいに名前取られたりするかもしれないし……オンラインゲームとかで使ってたハンドルネームでいいか。


 ちなみに名前はネバーでネバーギブアップから取ってる。


 「我ながら厨二病でも無いしいい名前だ」


 そんな事を言って横になって天井を見上げていると____


 「お?」


 見上げている空中から魔法陣が展開され、俺はその魔法陣にUFOにキャトルミューテレーションされ?人みたいに吸い込まれていった。


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