第2話 転生前!……デブオタだよ!くそぅ!


 いつもと同じ、高校の帰り道……


 「お前、また春香(ハルカ)達からいじめられたのか?」


 イケメンの顔にスポーツ成績どちらも優秀。


 やらせたら出来ないことがない完璧人間。


 これが僕……と、言いたいけど世の中そんなに上手くいかない。


 「えへへ……」


 体重86キロ低身長、スポーツも勉強もダメ。

 何をやらせてもトロトロしてる冴えないやつ……これが僕……タカノリだ。


 「俺が言ってやろうか?」


 「いや、いいよ……」


 このイケメン……竜轟(リュウト)は学校でも有名人だ。

 女の子にはキャーキャー言われモテて、男子達にも部活の助っ人の要請が多い。


 そんな発言力のある人が女子に注意すると相手がどうなるか分かったもんじゃない、僕が黙ってて平和ならそれでいいんだ。


 「そうか……よし、ならアレだ、マック奢ってやるよ」


 「い、いや、今日はちょっと用事が……」


 「用事?」


 「うん、ちょっと街のアニメイトまで行かないと」



 「じゃぁ俺もついていくよ」


 「え?」


 「お前に貸してもらったラノベとかほとんど読んだから知識もあるしな、そう言う所に行った事もないし良い機会だ」


 「そ、そう?」


 純粋無垢な笑顔で俺に話しかけてくれるリュウト……アニメとかあまり興味ない人だったけど僕に話を合わせてくれる為に最近は色んなラノベを僕から借りて読んでくれてる。


 「じ、じゃぁ一緒に行く?」


 「おう!」


 

 


 まさかこの日……アニメイトにブレーキが効かなくなった車が突っ込んできて俺の最後の日になるとは……

 

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