52 俳句(夏)


 星降る夜アイスも魔法もとけるまで


<読み>

ほしふるよ あいすもまほうも とけるまで




前回の漢詩につづいて、素直な恋の歌です。たぶん。

中高生の、甘酸っぱい恋が思い浮かびます。アイスも柑橘系の、爽やかな味をしていそう。

あるいは大人の、しっとりした恋だとしてもイケそう。こちらは濃厚ミルクのバニラアイスでしょうか。

(いずれにせよ、今回は糖度高めのお話になります。そのつもりでお読みくださいませ)


甘い恋の歌は詠めない、二度と詠まないかも……と先週いった舌の根も乾かないうちに、と思わないでもありません。でもそれ以上に、やればできるじゃないか、と自分を褒めてしまいましょう。



星空を見上げながらのデート。もしかしたら初デートなのかも。

アイス片手にしゃべったり、ふざけ合ったり、触れ合ったり。ずっとふたりでいたいのに、時はどんどん過ぎていく。アイスを食べきってしまうのが惜しい。でも食べないでいたって、アイスはゆっくりとけていく。


わざわざいうまでもないでしょうけれど、「とける」は「アイスが融ける」と「魔法が解ける」を掛けています。さらに「ふたりが溶けあう」のまで掛けているといったら、甘すぎですかね。


恋をしてると魔法つかいになるのかも。魔法をつかいたくなる場面にしょっちゅう出くわすから。

でも半人前の、恋の初心者ならば、魔法もすぐに解けてしまいそう。

解けてしまうのは、どんな魔法だったんでしょうね。


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