31 俳句(冬)


今週はすごい大寒波でしたね。




 足つるりよそ見誡む霜の朝


<読み>

 あしつるり よそみいましむ しものあさ




似たような経験をされた方もおられるんじゃないかと思います。いや、よそ見するなんてとんでもない! とお叱りを受けるかもしれません。

じつは私もひやひやしながら歩いて、よそ見どころではありませんでした。

この句はそれより前の作。ジョギング中のことでした。


ジョギングするときは、まわりの風景を眺めながら走ります。

あつまってラジオ体操や太極拳(それともヨガ?)をしているおじいさんおばあさんたち、犬の散歩の途中で立ち話する飼い主たち、これから試合に向かうらしいジャージ軍団、一人あるいは仲間や家族と一緒にジョギングする人たち、釣り人、浜辺や公園で遊ぶ子供たち。

海や空、島、公園の森の姿も日々さまざまに変化します。海峡を行く船もコンテナ船や大型フェリーから漁船、ちいさな釣り船まで。


そういったものたちを眺めて、来歴や物語を勝手に想像するのはじつに楽しい、大げさにいえば生きる愉しみではあるのですが、じつは危険と隣り合わせだったりもするのです。

ふだんから、草や木の根や段差なんかにつまずいてあやうく転びかけなんてことが……。まして冬となると、雪・氷・霜ですべりやすくなっているので、よそ見には要注意です。生きる愉しみのために、人生そのものを放り出しかねません。

(この句の元となった事故未遂のときは、かろうじて転ばず踏みとどまりました)


この季節、まだまだ寒波はやって来そうです。皆さまもご注意くださいませ。


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