第5話 勇者村を目指す

 カワゴエの村を目指して、北東へと進む俺。


 カスカベの街を出たらバスケットボールの魔物が襲ってきたが、なんと銅の剣のひと振りで倒せてしまった。

 銅の剣すげー。

 よーし、このまま一気にカワゴエの村まで行きますかー。


 なんか、新種の魔物が現れた。

 プリンに顔と羽をつけたみたいな感じで、宙に浮いてる。

 俺がプリンを観察していると、プリンに先手をとられた。

 プリンの体当たりが、おれの胸を直撃。

 かなり痛い。そこそこ痛い。すげー痛い。

 つか、防具も装備しないと、駄目なんじゃね?


 まあ、防具を買うにもお金がいるわけで、目の前のプリンの魔物を倒すしかない。

 俺は銅の剣で攻撃する。

 プリンは一刀両断される所を、薄皮一枚でつながっている。

 その状態の、プリンの攻撃。

 って、おいおい、かなりいてーぞ。

 最初のピンピンしてた頃と、大差ねーじゃん。

 俺はすぐさま反撃。

 プリンを倒した。

 プリンは消えて、4円落ちてた。


 4円拾ったら、なんか強くなった気がする。

 例えるなら、自分のレベルが上がった様な感じ。

 ワンランク上の存在になったような感じだ。

 なんか、呪文を覚えた気がする。

 体力回復するような呪文だが、呪文を使うためのマジックパワーがからっ欠なんで、試す事も出来ない。

 おそらく宿屋に泊まれば、体力と一緒に回復すると思うのだが、今からカスカベの街に戻るべきだろうか。

 カワゴエの村ももうすぐなんで、俺はカワゴエの村を目指す事にした。


 途中、再びプリンの魔物と出くわすも、レベルの上がった俺は、一撃でプリンを倒せるようになっていた。

 カワゴエの村も視界の奥に見えた頃、また新種の魔物に出くわす。


 なんか、小汚い布を全身にまとったチビデブな魔物。

 こいつが人ではなく、なんで魔物だと分かるのかと言えば、全身を覆う布からはみでた眼が、黄色く丸く光ってるからだ。

 俺は先手必勝とばかりに、銅の剣で斬りつける。

 魔物とは言え、人の形をした物を斬るのは、なんか気分が悪い。

 俺がそんな事を思ってると、チビデブは右手の人差し指を俺に向ける。


「ぴか。」

 チビデブがそう言うと、指先が一瞬光る。

 その光りは俺を襲う。


「ぐは!」

 全身を稲妻に貫かれた様な激痛がはしる。

 やばい、目の前が真っ赤になってきた。

 チビデブが再び呪文を唱える前に、俺は銅の剣でチビデブを攻撃。

 チビデブを倒した。12円落ちていた。

 俺は12円拾うのだが、やばいぞ、これからどうしたものか。


 カワゴエの村はすぐそこだが、次にチビデブの魔物に会ったら、俺は絶対死ぬ。

 カスカベの街へ戻るなら、遭遇する魔物はプリンの魔物と、バスケットボールの魔物。

 どっちも今の俺の敵ではない。


 俺は、カスカベの街に戻る事にした。

 くっそー。転移の翼があればなあ。

 今の所持金は98円なんで、どっちみち買えないが。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る