生まれ変わった腐女子、男子校寮の寮監になる。

@Shion_21

第1話 生まれ変わったようです

 私の朝は、お決まりのアラームから始まる。


『おーい、朝だぞ。早く起きろ。ったく…早く起きねぇとキスすんぞ』

「はー---いはいはい!起きてません!どうか私にキスを …あいたっ!

「いたいのはおめぇのアタマだよ、早く起きろ」

「いたたた…尚、お姉ちゃん睡眠時間2時間なんだからもう少し優しく…」

「それは深夜まで新しく買ったドラマCD聴いてたからだろ。朝ごはんできてるから早く食べて。遅刻すんぞ」


私、三枝怜奈はごくごく普通の高校三年生。ただちょっとだけ、ちょこっとだけ、腐ってたりしちゃったり。

そしてちょっと辛辣な言葉をくれる彼は私の弟の尚、中二。辛辣ながらも、家の家事全般は尚がしてくれている。そしてなにより、私の弟とは思えないくらい良いショt…イケメン。ほんとに同じ腹から生まれてきたのか…?ってたまに思ったりする。神様、遺伝子配分間違ってるよ。とにかく、そんな尚ちゃんが私は大好き。


「はやくしろ!俺まで遅刻するじゃねーか!」

ほら、なんだかんだ言って、尚は必ず私と一緒に学校に行くんです。ねぇどう思う?このかわいいのわたしの弟なんだよ?という謎マウントを心の中でとり、尚のもとへ行く。


これが私の日常。そんな日常は、一瞬で終わりを告げた。

「今日の夕飯、何がいい?お前今日もバイトだろ?」

「そうなんだよー、尚ちゃんのハグがないとお姉ちゃん頑張れな…

「わかった、今日の夕飯はチンジャオロースと青汁ね。健康的な食事でお姉ちゃん元気もりもりになっちゃうねー」

「ごめん、お姉ちゃんが悪かった。落ち着いて考え直そう尚ちゃん」


『きゃあああ!!ひったくりよ!』ふと、どこかでそんな声が聞こえた気がした。

気がしただけだった。のに。

「どけっ!」

「ッ!!尚!危ない!!!」

ザクッ

いつもの青い日常に、変わらないあたたかい景色に、

突如、赤い雨が降った。あれ、黒かな。

「姉ちゃん!姉ちゃん!!」

ああ、久しぶりに姉ちゃんって呼んでくれたな。さすが私の尚ちゃんセンサー、

尚ちゃんに近づく脅威は私が…まも…る…。


こうして私は、意識を失…



わなかった。あれ?私…あり?

気が付くと、知らない部屋にいた。黒くて、本がいっぱい。

そしてなぜか壁には大量のカギが掛けられてある。

「なんだなんだ…?」

ふと下を見ると、なにやら違和感が。

「…へ?」

おかしいな。私の体になにやら男のブツ…と思われるものが。

跳び起きて鏡をのぞく。


「…私、ショートカット似合いすぎかて。」


私、男になってしまったみたいです。




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