第13話
朝、窓からカーテン越しに覗く日の光を浴びながら俺は自室のベッドから目を覚ます。
テーブルにおいてある目覚まし時計を見ると、まだ朝の6時だ。
今日は月の曜日、平日だ。当然のことながら今日は学園がある。
といっても学園には8時に到着すればよく、寮から学園へは徒歩で1分もかからない。
学園へ行くにはまだかなりの猶予があるある。だが2度寝しようにもそんな気にはならず、とりあえずベッドから立ち上がると、壁に掛けてあった制服を手に取り、脱衣所に向かった。
男の朝にそれほど時間もかかるはずがなく、顔を洗い歯を磨き、制服に着替え終えても、30分も掛からなかった。
部屋へ居てもやることはもうないので部屋を出る。
鍵を閉めたことを確認し、歩き出す。
「あ、クロノ!おはようさん」
「おはよう」
寮を出ると、そこには学園の制服に身を包んだメアリとアンナがいた。
「おはよう
メアリは、もう大丈夫なのか?」
「うん!もうばっちり」
「私は休めっていったんだけどな……」
そういって、アンナはため息を吐く。メアリは「もう大丈夫だって」と笑っていた。頬は少し朱をはらんでいたが、きっとこれは風邪によるものではないだろう。
「じゃ、面倒だが学園に行きますか」
「え~っと」
学園の前の掲示板に張り出されている横長の紙、俺たちその前に立っていた。
本日は1年から2年に変わる日。その日は同時にクラスわけもあるのわけで、こうして掲示板に張り出された紙から自分のクラスを探す必要がある。
俺たちの周りにも多くの者たちがおり、紙を見終わったものは前のクラスメイトと離れて悲しむもの。前のクラスメイトと同じクラスで喜ぶものと多くのものがいた。
俺たちも掲示板から自分のクラス。そして、クラスメイトを確認していた。
「あ、あった。Kクラス
クロノ君とアンナの名前もあったよ!」
「お、本当か!よっしゃ!!」
そんな中、メアリが俺たちの名前も探していたようで、それを知らせてくれる。
確認すると本当に3人とも同じクラスだった。
「んじゃ、今年も宜しくな!クロノ、メアリ」
「おう」
「うん!」
聖騎士学園は学年ごとにアルファベットのS~Kに分かれており、Sが最高クラス、それから下がるごとに設備も授業内容も変わっていく。
クロノたちは最低クラスで、生徒の人数も少ない。それを知りつつもクロノたちが喜んだのは、3人とも一緒のクラスだからだろう。
..教室
教室へ入ると、中には1人の生徒が机に寄りかかって眠っていた。
その生徒は俺たちが教室に入ると、それに気づいたのか顔をあげる。
「あ、おはよーございます」
「お、おはようございます」
緩い声で挨拶され、俺たちも挨拶を返す。それを聞くと笑顔を浮かべる。
挨拶を交わしたことに満足したのか、その生徒は再び机に突っ伏してしまった。
それを見た俺たちは顔を見合わせ、起こさないようにゆっくり扉を開け、廊下に出た。
学園中に朝のチャイムの音が廊下に鳴り響き、それを聞いた学生は教室へはいっていく。
俺たちも教室の扉を開け、中に入る。だが教室の中には先程眠っていた生徒しか居なかった。
先程掲示板を見たときは、多いとまではいえないが、後数人の学生の何前が載っていたはずなのだが……。
そのことを疑問に思ったが、「多分、遅れてるだけだろう」そう思い、俺たちは適当な席に着く。
それから数分、数十分と待つも、誰も入ってこなかった。
生徒も、教師も、だ。
これはさすがにおかしいと思い、俺は職員室に行くため席を立ち、扉の方まで歩を進めた。
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