閑話 王女のため息
ノブレス・オブリージュ。
ふっ、呪いの言葉ね。
真面目になればなるほどこの言葉に縛られてくる。でも仕方がない、私は王女。この王国の女性の中で一番恵まれた存在。高貴なるものはより多くの義務を持たなければならないのよね。
はぁ~。一体どれほどの貴族がそれを守っているというのかしら。そもそも覚えているのかな? 王族にばかり義務を押し付け言いたい放題の貴族なんて、落ちぶれてしまえばいいのに。
私が王子だったら……。女性って損よね。やりたいこともできやしないわ。やがて国のためにどこかに嫁がされるのよ。他国でなければいいんだけど。
私はこの国を変えたい。進歩を嫌い停滞が美学と考える、この国の雰囲気を一掃したいの。だから勉強もした。弟も鍛えた。私の周りの貴族子女達の学力とかも上げさせた。
……でも私は王女。権限は何もない……。
はぁ。男に生まれたかったわ。
弟に託したいんだけど、あの子私が鍛えすぎたせいか、周りを見くびり過ぎて他の子供たちと距離をおくようになったわ。なんとかしないと。
見守るだけもそろそろやめるか。
学園祭手伝わせて、現実を知らしめよう。最近、騎士団にちょっかいをだして、なんだかやる気になっているみたいだから、ちょうどいいわね。
そういえばレイシアだっけ。弟以外では2年生唯一のA評価の学生。貴族のマナーも礼節もない平民の蛮族みたいな子。あっ、思い出したら寒気が……。なんであんな子だけが勉強できるの? せめてマナーができていれば、生徒会に入れて様子を見られたのに……。
弟の周りは残念な子だらけね。
まあ、レイシアって子、少し調べてみましょうか。評判を聞くくらいはしてみましょう。もしかしたら学園で成長したかもしれませんし。
はぁ~。それにしても弟の周りは……。あ~~~。
私の有能な側近たち。もし私がどこか他の国に嫁がされる時、一緒にこの国を出たら弟は一体どうする気なのでしょう。私がこの国にいれば手伝わせておけますのに。
有能な人材を流出させることになるの、気づいているのでしょうか。
学園長は教育の改革を目指して何かたくらんでいる様なのですが、私には詳細を教えてくれませんし、弟の学年ではまだまだ何も効果が出ないことでしょう。
やはりここは、私の有能さをアピールして、この国に必要だと思い知らさなければいけませんね。
お父様や大臣たちに、私が他国に嫁ぐより、この国にいることのメリットの方が大きいと思わせないと。それには実績を積まなくてはいけませんわね。それも学園にいる間に。婚約を決めさせられる前に。
あと二年。何をしよう。何ができる? なにかしなければ。
…………私がしたいことは何?
側近はいても、悩みを打ち明けられる友達はいない……。
はぁ~~~。王女って立場はつらいわ。
ノブレス・オブリージュなんて呪いの言葉、無くなればいいのに……。
………………………………………………
リアタイの方へ。
わきキャラ人気投票ですが、ピックアップで閑話入れました。
王子のお姉様、生徒会長が何を考えているか深掘りして見ました。
そうです。みちのあかりは、閑話書いてみないとわきキャラが何をどこまで考えて行動しているか分からないのです。そして閑話を書くたび、その後の展開に影響が出てしまうのです。
閑話は私にとっての試練なのです。そして物語の方向性を変えてしまうかもしれないギャンブルなのです。
思えば、『閑話 教会改革』 から急展開していましたね。スーハーしていた時のバリュー神父ってあんなキャラじゃなかったのに・・・
投票、本日いっぱいです。まだの方、みちのを困らせようという方、推しを出して! と言う方はこちらの感想欄にお越しください。一つ前の回、『二年生終了 (第五章 完)』です。
https://kakuyomu.jp/my/works/16817139555810310315/episodes/16817330666267883690
投票お待ちしております。 (2023.11.5)
リアタイでない方へ。
というイベントを行っていました。
「出遅れた!」「投票したかった!」という嘆きの声が聞こえてきそうですね。
「こんなイベントして欲しい!」というアイデアがある方、声をあげて下さい。
採用するかもしれません。
みんなで感想欄盛り上げていきましょう!
よろしくお願いします。
以上、みちのあかりでした!
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