レポート書いて学園に行くよ(第六章 完)

 ギルド長達からの報告が終わり、祭の成功が確認できた。

 レイシアは、それを元にレポートを仕上げるため、教会の図書室にこもった。


「もし来年もお祭りする場合の宣伝からの計画は早めに立てるべきね。そして、イベントの内容も見直さなきゃ」


 次々とアイデアが湧き出るレイシア。そこにクリシュがやってきた。


「お姉様。勉強大変なのですか?」


 お姉様用の笑顔でクリシュが尋ねた。レイシアはレポートの手を止めクリシュと向かい合った。


「ごめんねクリシュ。夏休みもっと一緒に遊びたかったよね。私もクリシュと一緒にいたかったのよ」


 心からの言葉にクリシュは応えた。


「分かっていますよお姉様。僕はお姉様と一緒にお祭りを作れて満足しています。でも、もし許して頂けるなら、僕にも勉強を教えて下さい。お姉様のレポートのお手伝いがしたいです」


 ぶわっ、と涙が出そうになるほど感動しているレイシア。クリシュの人たらしは、年々腕を上げている。


「じゃあこの書き終わったレポートを書き写して! クリシュの勉強にもなるし、お父様と神父様に見て頂けたらきっと役に立つわ」


 レイシアのレポートを写しながら質問をするクリシュ。それに答えながら、おしゃべりをしだすレイシア。二人きりの楽しい時間はゆっくりと過ぎていった。


 姉弟の楽しい幸せな時間。


◇◇◇


「本当に、荷馬車乗って行くのか? 馬車くらい出してやるぞ」


 お父様のクリフトがレイシアに言った。今日は王都に向かう日。レイシアとサチはアマリーに向かう商人の荷馬車に載せてもらう事にしていた。


「荷馬車と乗合馬車乗り継いだほうが早く着くのですよ。荷物はこのバッグに全て入っていますし」


 神父がレイシアをみながら寂しそうに言った。


「その鞄もっと研究したかった……いいかいレイシア、あまり他人に知られないように。いいですね」


 クリシュはちょっと拗ねている。お姉様だけでなく、サチまで行ってしまうから。それでも、大好きなお姉様に抱きついて別れを惜しんだ。


 孤児たちも、クリシュの教え子の貴族の子たちも見送りに来た。だんだんと人が集まる。


 大勢の見送りに囲まれて、荷馬車は出発した。


 空は秋の雲がたなびき始めていた。


………………あとがき……………


 ここで、第六章の夏休みが終わりました。ノープランで挑んだ作者にレイシア達は好き勝手にやらかしてくれました。祭りって何?


 でも、活き活きと楽しんでいたキャラ達。みんな最高です。


 さて、今日からカクヨムコン8が始まります。レイシア達に応援をよろしくお願いします。


 ★とか💖とか頂けるとありがたいです。

↓こちらからレヴュー★ やフォローできます。

https://kakuyomu.jp/works/16817139555810310315


 今までレビューしてくださった方々。皆様のおかげで、読者も増えました。

ありがとうございます。今後も読み続けていただけるよう、楽しい作品にしていきたいと思っています。


 なんとか、コミカライズしてくださる出版社に見つけてもらいたい。それが私の願いです。二次元のスーハーが見たいのです。


 読者選考通れるように、応援よろしくお願いします。


 少し閑話をはさみながら、第七部の学園編に移りたいと思います。お楽しみに!

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