令和ちゃんと平成くん~新たな時代、創りあげます~
阿弥陀乃トンマージ
第一章
第0話 令和、着任
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カツカツカツ……とパンプスでリズムよく音を立て、黒のパンツスーツで上下をビシッと決めた女性が綺麗な長いストレートの黒髪をなびかせ、とある建物の廊下を颯爽と歩く。
「……ここね、課長室」
女性がある部屋の前でピタッと立ち止まり、美しい顔立ちの中でも印象的な切れ長な目で部屋の名称を確認する。一呼吸おいてから、女性はドアをノックし、凛とした声で告げる。
「……です。只今参りました」
「入りたまえ」
「失礼します」
女性が部屋に入ると、紺色のスーツ姿のややふくよかな男性が椅子から立ち上がって、女性に対し、自らのデスクの上にある時計を確認して、満足そうに頷きながら声をかける。
「ふむ、五分前行動がしっかりと出来ているね、感心、感心。では、こちらへどうぞ。さて……仕事に入ってもらう前にまずやってもらいたいことがあったのだが……」
「?」
男性が困ったような顔を浮かべ、女性は小首を傾げる。直後、部屋のドアが勢いよく開く。
「!」
女性はわずかながらビクッとするも、表情には出さず、すぐに姿勢を正す。
「はあ……はあ……間に合った……」
ドアを開いた女性よりやや身長が大きいグレーのスーツを着た男性が肩で息をしつつ呟く。自らとしては小声のつもりなのだろうが、よく通る声の為、女性らには丸聞こえである。
「……間に合っていないよ、遅刻だよ」
ふくよかな男性が呆れる。グレーのスーツの男性がすかさず反論する。
「いえ、課長、遅刻常習犯の俺に対しては五分早い時間を伝えているはずです。よって、正確な集合時間にはまだ二分半ほどの余裕があるはず……違いますか?」
「……まあ、当たっているよ」
「ふっ、流石は俺の洞察力、今日も冴えているぜ……」
男性は自らの顎に手を当てて、満足気に頷く。その顔立ちはよく言えばなかなか凛々しいのだが、約束の時間には遅れているのである。スーツも立派なのだが、若干よれており、短めの茶色い髪も少しボサっとしている。女性は気づかれないように僅かに顔をしかめる。
「洞察力云々は結構なのだけどね、まず時間を守って欲しいのだが……まあいい、こちらに立ちたまえ。それでは早速だがお互い自己紹介を頼むよ……じゃあ君から」
ふくよかな男性に促され、女性はグレーのスーツの男性と向かい合い、口を開く。
「……この度、新たに現代課に配属になりました、
「おおっ、俺は
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