第20話 一歩、踏み出したい。

この扉を開けたなら。

もしかして一歩、踏み出してみませんか?

と。

大丈夫、地続きで。

いきなり落とし穴なんかは掘られてない。

と、思うのだ。

だいぶ行った先は、わからないが。

いきなり、ってことは、ない。

一歩。

踏み、出す。

扉の向こう、地面の感触がするだろう。

重力。

上が上で、下が下だ。

もとい。

天が上で、地が下だ。

天の広がり、地の広がり。

見晴るかす展望。

には靄が掛かっているにしても。

一歩。

その一歩が何か。

わかっているだろう? 当人には。

その一歩を大切に思っていれば。

それから程なく、歩は進んでいるだろう。

どんな歩みか。

感触は。

しだいしだいに明るみになってゆくだろう。

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