第17話 皆それぞれにいるであろう。
この扉を開けたなら、皆それぞれにいるであろう《家族》の話。
たとえばラブソングを歌うとする。
ラブソングは、謂わずと知れた、恋する人を想う歌だ。
だが、しかし、その歌を。
歌っている自分の歌声を《身内》が聴いているとしよう。
そうしたら。
あーら不思議。
なんと、変化していくよ。
気持ち。
何を歌っているか? って。
それは恋する者への思慕だった。
はずなのに。
あーら不思議。
「いてくれてありがとう」。
「いつまでもいっしょにね」。
怖い。
怖い怖い怖い。
誰か、《家族》の誰かが亡くなる、その日まで。
《家族》であることは止まらない。
寂しい。
寂しい寂しい寂しい。
ぐっとくる悲しみが不意に訪れるから不思議だ。
歌ってみるといい。
《愛するもの》。
そうは思ってなくたって。
普段の、そんな気持ちはラブソングに掛かれば、露わになる。
ぐっとくる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます