第10話 なんも見えん。

この体たらく。扉を開けたなら、何も見えん。

だって、眼を瞑っているんだもの。


と。


開かれてない眼で、いくら扉を開けたって。

見えぬ。


心の眼。

どーした?


おい。


見えぬか、見えないのか。









くまさん。


唐突に。

出た。




くまさん、ぬいぐるみだとあんなに可愛いのに。

なんで本物は恐いの。



とか、って。

他の動物でも言えること。



ふぬ。






見えない眼は。

もう。









眠たげな眼でありまして。


心地よい夢を見ればよろし。







形容しがたいような、次元の違う、まるで宇宙へ飛び立つような。

そんな夢を感じたことがありました。


気の済むまで起きて、気の向く儘に寝ていた頃の話。







いいですな。

気儘なのは。




ただ、それが現実問題、できるかっていうと。

それをするには、めちゃくちゃがんばらないと。


もしくは、がんばるのをやめてしまわないと。



得られない、の、ではなかろうか。







と、今になってみれば思う。




今なら、めちゃくちゃがんばってゆくほうを選ぶ。

か。


まぁ、言うてもぼちぼち。







ちょこっと、思っていることを軌道に乗せてから、ね。












きっと、《いる》ことができている。


扉を開けたら《いる》んだよ、ね。

それはどんな世界かな。


わくわくするね。




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