第7話 大人になっちゃったんだねぇ。
この扉を開けたなら。
ずっと悔やんでしょーがない子がいるよ。
背中を丸めて、随分。
今。
こどもだったならなぁ。
大人に優しく見守ってもらえるような。
自らも前向きで、大人の纏った優しさに、素直に返すような。
受けて応える。
貰って、返す。
ヒトはヒトがいないと、ニンゲンになれない。
自らを自らで以て《育んでいく》なんて。
なんてバカげた。
なんて、さみしい。
そうじゃない。
そうじゃないんだ、ニンゲンは。
ヒトは、ヒトといるから、ニンゲンになれる。
もう随分、大人になってしまったからには。
やっぱり、ヒトに応えてもらえるような、ヒトであらねば。
ニンゲンでいられなくなる。
こども。
こどもの頃に、当たり前に《それ》だったヒトは、ニンゲン。
《それ》が当たり前でなかったヒトは。
ニンゲンとしてスタートするにも、まぐれでしかなく。
スタートしたからといって。
もう随分。
大人は、ニンゲン。
慣用で、モノゴトを捉えている。
常識のないヤツには。
容赦なく。
言葉の、悪態。
優しく見守っていける場を。
築いていけるといいねぇ。
ヒトは。
ヒトとヒトとで、ニンゲンになってゆける。
少しずつでも、そうあれたら。
願ってやまない。
* * * * * * * * *
悔やんでいた子も。
自らを励まして、ヒトの中で。
ヒトとヒトと。
そうニンゲンになったのだ。
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