第6話 不平等な平等。

この扉を開けたなら。

不平等な平等が待っている。


生まれてきて、自分の世界しか知らない。

人を見て、羨ましく思った。


長じて、親を恨んだ。

また歳月が経ち、親を可哀相なヒトだと思った。




ただ優しさをください。


可哀相なヒトたちに掛けてやれる言葉を態度を。


他愛ない言葉のやりとり。

それは愛情。




親し気なヒトたちが交わす。



蚊帳の外の私。

そんなふうに育ってきた。




親を恨む。


帰宅した、他所の親の元で育ってきたヒトたちの場から。

そこへの第一声。


簡単に凹むことができるし不機嫌になることもできる。

自分の感情に素直にいれば。


ただ、それでは事は済まなくなってる。



可哀相。


可哀相で来た親たちに、優しい言葉を掛けてやれるか。




他所の家庭の他所のヒトたち。


親しく話をできるだろうか。


親を恨む。



可哀相なヒトたちに。

私は、何ができるだろう。

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