第151話 インドネシアからの実習生
私の勤める知的障害者施設に、9月下旬からインドネシア人の女性が2名、実習生として入って来られました。
18歳と25歳で2人とも日本語の平仮名の読み書きはできて、基本的な介護の知識も勉強して来られています。
こちらに実習生として来られた1週間前に、日本に初めて来たばかりの2人です。
18歳のリタ(仮名)さんはご両親がおられず祖父母に育てられて、その祖父母に日本で働いたお金でご恩返しをしたいとの思いもあるとのこと。
25歳のエリー(仮名)さんも家族のために頑張りたいとのこと。
2人とも日本が大好きで、ずっと日本で働いて、いずれは家族も呼び寄せたいとの大きな夢も持っているようです。
この若さで母国を離れ異国に来て働こうと思う精神にまずは感心しました。
インドネシア人の女性と言えば頭にスカーフのようなものを被っていて信仰心も強いイメージがあり、
「頭や素肌は隠してるのかな?」
「果たして特殊なこの職場でやっていけるのかな?」
等々、受け入れる私達は少なからず不安に思っていました。
が、約2ヶ月経った今、想像を超える速さで仕事を覚え打ち解けてきていることにびっくりしています。
2人とも習ったことはメモ帳にびっしり平仮名でメモし、たまに漢字も使っています。
母国ではインドネシア語を話しているとのことですが英語も堪能です。
職場での業務連絡事項はグループラインで送られてくることもあるのですが、今では同時に英文でも送られてます。
わが職場も国際的になりました( ´艸`)
インドネシアでは素肌は見せず、ヒジャブというスカーフを被っていたらしいのですが、今では私達と同じ制服(半袖のポロシャツにズボン、冬は上着あり)を着ています。
この服装に抵抗はないようです。(順応性が高い!)
2人を受け入れるにあたって、食堂には利用者様が座る場所が、全て決められていてテーブルには漢字で名前がテプラで貼ってあるのですが、その表示を全て平仮名に変えて、10時や3時にお茶やコーヒーなどを飲むコップも全て個人の名前が貼ってあるのですが、それらも全て平仮名に変えて対応しました。
日本人の私達でさえ、慣れるまでは大変なので、きっと苦労するだろうなと思っていました。
が、利用者様の名前を覚えるのも早くてびっくりです。
更によく気が付きます。前向きな姿勢でそれでいて謙虚です。
これは凄いなって思いました。
それに2人ともよく笑い明るいのです。
職場が華やかになった気がします。
私達もうかうかしてられないなと、刺激になっています。
25歳のエリーさん、日本に来てすぐに誕生日を迎えられ、26歳になられたのですが、「今日が誕生日、お母さんに職場の様子を写真で送りたい」とお昼休憩の時に話されたので、それを聞いた私達職員は画用紙に『Happy Birthday』の文字と絵を描いて、休憩が終わると、一部の利用者様と画用紙に描いた絵を持ってハッピーバースデーの歌を歌いながらその様子をエリーさんのスマホで写真と動画に撮りました。
エリーさんはこの写真と動画をお母さんに送ると言って喜んでいました。
インドネシアの写真もいっぱい見せてくれたのですが、海が綺麗で砂浜がピンク色なんです。
まるでリゾート地じゃないと羨ましく思った私ですが、彼女たちが住んでいたところも田舎だったらしいです。
私達の住む地域と似ているので安心なのかな?
最近、「ホームシックにならない?」
って聞いてみたのですが二人とも日本が大好きで、全くホームシックにならないそう。
そして、「寒いのは大丈夫?冬になったら雪が降るよ」と言ったのですが
「大丈夫!雪を見たことがないので雪が降るのが楽しみで見たい!」と言うのです。
彼女たち、本当に雪を見たらなんて感想を漏らすでしょうか。
今から楽しみです。
彼女たちと一緒に仕事をするようになってから、今まで私にとって全く縁のなかったインドネシアが急に身近に感じられるようになりました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます