第58話 ほろ甘苦い秋の味

 モチモチ、ホクホク、ほろ甘苦い秋の味!

さて、それはな~に?

そうです!それは,ぎんなんです。


 先日、りんご狩りに行ったというお友達から、りんごをたくさん頂いたので、いつも野菜をもらってばかりのお隣の智ちゃんにお礼を兼ねてお裾分けしました。

すると、智ちゃんが

「まぁ、美味しそうじゃない、ありがとう。こんなにもらってええの!」と喜んで下さったので、

あぁ~、良かったと思って帰ろうとすると

「ちょっと、ちょっと、ぎんなんいらん?」と智ちゃん。

「あぁ~、ぎんなん欲しいです。この間、裏山に行ってイチョウの下に落ちていないか探してみたけど無かったんですよ」と私が答えると

「どこのイチョウの木を探したん?」と聞かれたので、行った場所を教えると

「あそこじゃダメよ。あの道の手前の細い道を登ったら2本並んでイチョウの木があるけぇ、その下を見たらいっぱい落ちとるよ」と教えてくれました。

「なんだ、そうだったんですね。じゃあ来年はそこに行って探してみます」と言うと

「うちに取ったんがいっぱいあるけぇ、あげる」と言って納屋から取ってきて両手いっぱいくらいの量を袋に入れて下さいました。


 ぎんなんと一口で言っても全体が種子で、外側の柔らかい部分は種子の外種皮で、それを取り除くと固い殻に包まれたぎんなんの核が出てきます。

ぎんなんとして食するのは、固い殻を割った中にある実です。

ぎんなんを食するまでには、手間がかかるんです。


 頂いたのはぎんなんから核を取り出してきれいに洗って乾燥させたものでした。

固い殻の状態です。

実際食べるのは殻の中の実です。

だから、この固い殻を割らなくてはいけません。

すると智ちゃん

「ぎんなん割り器があるけぇ、貸してあげるよ」とぎんなんの殻を割る機械(?)まで貸してくれました。

もう、智ちゃん、何でも持ってるし親切なので有難いです。

お礼をしたつもりが、又頂いて帰りました( ´艸`)


 このぎんなん割り器、使ってみると簡単に殻が割れました。

ペンチのようになった間に殻を挟んで、力を入れるとカチっと音がして気持ちが良いほどきれいに割れるんです。

面白くってもう、夢中になって割りました。

あっという間に全部割ることが出来ました。

子供だったら喜んで割ってくれそうって思いました。

こんな便利なものがあるんだと感心しました。


 殻を割ってさっと湯がいて薄皮も取って、冷凍しておくことにしました。

何個かは、おでん用に爪楊枝に刺してみました。

あとは、みそ汁に入れたり、オリーブオールとニンニクのみじん切りと鷹の爪を少量と一緒に炒めて、塩コショウしてペペロンチーノ風にしたらおつまみにもいいかもです。

生まれて初めてぎんなんの殻割りを体験した私でした。



近況ノートに画像あります。

https://kakuyomu.jp/users/cocopin/news/16817330650512408378




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