記憶喪失の眷属
東條 九音
第1話 誕生
……ここはドコだろう。
何だか……上下左右の感覚、いや記憶も曖昧な気がする?
『ここは、神界。感覚が曖昧なのは、今のキミは魂だけで、器となる体が存在していないから』
な、何だこの声!?いやそれより、俺の声が聴こえているのか。ならあなたは、何で俺は神界で、魂だけの状態で居るか知っているのか?
『もちろん。キミは今、新たに生まれた。私の眷属。紡ぐ者がキミ』
眷属?
『私は全ての神様の頂点。創造神。神は普通は自然と生まれて、経験を積み重ねて下級神、上級神となるけど、その過程で眷属を生み出すことが出きる。眷属はその神の子。分かりやすく言うと、神獣と呼ばれる動物たちとか、自身の力を宿した神器かな。キミは私、創造神の直系の子。人の眷属は初めてだから、どうなるかドキドキしたよ』
……俺はいったい何をすればいいの?何か目的があって生み出されたんでしょ?
『キミは話が早いね?生まれてすぐで悪いのだけど、ある世界で生きて欲しい。その世界は危機に瀕している。けど、神が直接手を出すわけには行かない。そこでキミだ』
眷属も手出し無用なのでは?
『眷属の役割は時に力を貸し、時に試練を与えるもの。だから眷属が解決しても問題ないわ』
そう言うものですか……
『危機の原因も、破壊神の試練が難しすぎたせいだし』
神様が原因を作っておきながら、手出し出来ないって欠陥じゃないですか!?
『そんなわけで、私が動くことになったのさ。直接手は出せないから、眷属のキミを派遣する形だけどね』
まぁ、分かりました。つまり現地の人たちと協力し、破壊神様の試練をどうにかすればよいと?
『力を貸すぐらいが望ましいけど、キミが解決しても問題ない。要は世界の終焉を回避して貰いたい。っとそろそろ時間ね。最後に確認しておきたい事はあるかな?』
紡ぐ者とは何ですか?私の能力か何かですか?
『あぁそう言えば、伝えてなかったね。キミ一番の能力は本に関係する神器だ。必要な時に、必要な物語が紡がれキミの力となるだろう。それに時が来れば私ともやり取り出来るようになる』
分かりました。それを利用してうまく立ち回ればいいんですね。
『まぁ、神界での話は覚えてないだろからね』
……あのー、それはいったい?
『キミは記憶を封じて、ステータスは制限された状態で降り立つことになるんだよ。じゃ、任せたよ、***』
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