風化
時間が経てば、嫌な思い出は忘れていく。
時間が経てば、いい思い出も薄れていく。
悲しいことも。
辛いことも。
だが、忘れるというのはいいことだ。
いつまでも抱え続けなくていい。
それが一時の営みと共に送ってやれるのなら、それに越したことはない。
楽しい食事の折りに、なかったことになったら。
そう思いながら今日も料理を拵える。
「料理長、今日も渋い顔してますね」
「また仕事の帰りにトイレットペーパー買うの忘れて、奥さんに怒られたんだって」
「え、それって」
「もちろん、下拵えの味見でやっちゃったやつ」
「あっちゃぁ……」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます