第5話 伝説の魔法、転移魔法

ーー 転移魔法の成功


現在の俺のステータスは

ステータス

名前 ハルト=レイン 年齢 15歳  性別 男  種族 ※※

レベル 65

HP23000 MP33000 素早さ2500 力3000

魔法

 火魔法3 風魔法3 土魔法3 水魔法2 氷魔法2 雷魔法3 光魔法2

 闇魔法2 空間魔法1 時空魔法1 収納魔法3 付与魔法1 治癒魔法4

スキル

 身体強化5 身体異常耐性5 危険感知3 敵索4 隠密4 解体2

 魔力操作5 魔力回復5 鑑定3 錬金術2 異世界言語

称号

 異世界の旅人 異世界の商人


でMPが30000を超えた時くらいに空間と時空魔法が発現し転移魔法が使える様になった。ただ行ったことのある場所で登録できる数は3箇所限定であったがレベルかMPが上がればその数も増えそうだ。早速異世界の入り口付近を思い描いて転移魔法を発動すると少しばかりの目眩の後あの場所に立っていた。

「うまく行った」

と思いつつMPを確認すると半分ほどになっていた。

「そう何回も連続で使用できないのか」

そう呟きながら隧道を歩いて自宅に帰った。


自宅に帰ると忙しく動き回った、

・板バネやベアリングの購入

・井戸用ポンプの購入と設計図の取り寄せ

・水車や風車の購入と設計図の取り寄せ

・モーターの購入と設計図及び部品の購入

・異世界で評判が良かった商品の買い付け

・農工具の購入

・各種肥料の購入と農業指導書の購入

・麹菌やイースト菌などの購入と取扱書の購入

・寝具類の購入と作り方の指導書購入

・井戸掘り道具や機械工具の購入

・建築資材の購入と指導書の購入

などの今回はスミスの街に腰を下ろす前提で色々と取り揃えたが、驚いたことがあった。時間の経過が違うのだ異世界に1月以上いたはずなのにこちらでは3日ほどしか経過していなかった10分の1だ、ファンタジーだなと思った。


数日後転移でスミスの街に戻ると転移した日の次の日だった意味がわからない。


キッド商会に立ち寄り商会長に会うと

「仕入れの目処がついた」

と伝えながらかなりの量の商品を商会に卸した。


今回工業用機械を購入してきた、実はスミスの街の近くの小高い山でダムと水力発電に適した場所を見つけていて領主から開発の許可を得ていたのだった。


ーー 十分な電力 魔法に満ちた生活


約1年をかけ小規模であるがダムと水力発電の施設が完成した。発電電力はスミスの街の住民が使用するには少ないが電灯などの電力としては十分すぎる量でそれ以外の電力は物作りの工業用に使うことにした。


当然太陽光や風力発電も活用していたので領主や裕福な者の家には冷蔵庫やエアコンなどの文明の力を共有できる様になった。


しかし配電については問題が多く、発電所から街までに電柱と地下ケーブルの二本立てと蓄電池の活用で安定して供給しているが、他の街や地域には実現は難しいだろうその一番の問題は魔物だ。

魔物は電線を切断することがよくあり、結界で守ることができる様になってようやく安心できたが俺が居なければ結界も長くは維持できないため早めに結界魔法のできる魔法使いを確保する必要性がある。


今日は領主邸にジャグジーを設置していた。上下水道の一部が街の中に完成したため高圧の水圧で十分な水量を配水できるようになったからだ。


「ハルト殿、これはまた素晴らしい風呂ではないか」

領主様は痛く感動して俺に呟いた。

この頃俺は街の発展の功労者ということで貴族位を叙爵していたのだ、位は男爵位。領主邸の近くに土地を貰い文明の力の詰まったログハウスとこの世界の建築技術を使った屋敷を建てていた。


その完成披露で領主一家が俺のログハウスの家電機器などに興奮して

「電気と水道設備というものが揃ったらこれらを我が家にも導入できるのか」

と食いついてきて思わず

「可能な限り応じたいと思います」

と答えてしまったのがことの始まりで参考にと持ち込んだカタログを見て

「この泡が溢れるお風呂がいいわ」

とご婦人方が注文されたのだ。


実はこの一年で領主邸や有力者や裕福な屋敷にかなりの量の現代日本の商品が溢れることになった。一番の原因は俺の収納量が激増したことが原因であった。

 現代日本に帰ると俺はちょっとした有名人になっている。各国から家に届く商品は巨大な倉庫を建てて収納しているほどだ。


異世界で得た金銀プラチナや各種宝石が予想以上に高値で売れその代わりに商品を購入しているが差額が良い方に大きい。


領主邸の窓は二重サッシの窓で強化の付与を付けているため防犯の点でもかなり有効になっている。周囲の貴族を迎えたパーティーでもその透明性と大きさは王宮にも無いと有名である。


ジャグジー設置が終わり試運転がてらお湯を張りスイッチを押すと、かなりの勢いで水流の泡が湯船に現れた。他にも広い湯船と10人ほど入れるサウナが男女別に入浴専用棟に設置している。

 当然女性側にその後のメイク室とビューティー室があり、美容関係の機器が所狭しと置かれてあり王家の王妃様が定期的に通うことで世の女性の憧れの建物となっている。


「領主様、完成しました問題なく使用できます」

と報告すると

「それはちょうど良かった、3日後に王家が立ち寄ることになっているよろしく頼むよ」

とその対応を依頼された。さすがに物を作ったからすぐに誰でも使えるというわけではなくそのメンテナンスも当然必要となるそれらを職人を育てながら指導しているのが俺の今の仕事の一つとなっている。



ーー 王家の王女様 side


私はサイライト王国の第四王女 ミラージュ15歳、今度王妃であるお母様とスミス侯爵家のお風呂に行くことが決まった。あの侯爵家の美に特化したお風呂は是非行きたいと思っていた場所で、以前からお母様にねだっていたのだった。

そしてもう一つの目的・・・。

「ハルト男爵様に会うこと」

思わず口にしてしまったが侯爵家から献上される商品のほとんどが、あの男爵の手によるものだと聞いていたからだ。

お母様は侯爵の妹で第二王妃という立場であるが第一王妃が病気で亡くなった頃から発言力が強まり、私の立場も良くなったため好きに色々できるようになったことも大きい。

私はこの世界を平和で豊かな世界にしたい、その手本があの侯爵家にあると聞いていたので是非訪れて触り体験し話が聞きたかったのだ。


出発の日。先日侯爵家から王妃宛に贈られた馬車に乗り込む、

「お母様この馬車乗り心地が以前の馬車と違いすぎません?」

思わずそう口にした、すると王妃が

「そうよ私の兄が今現在で最も乗り心地の良い馬車だと言って贈ってくれたの」

と自慢げに答えた。

 乗り心地もそうだが音が小さく室内のシートやクッションも違うしなんと言っても室内の大きさが違う。この馬車には空間拡張の魔法で2倍ほどに広がっているのだ。しかも屋根に黒いパネルが敷き詰められ馬車の内部が非常に過ごしやすい気温で保たれているため別世界のようなのだ。


移動の途中で急にさらに振動がなくなってきたするとお母様が

「侯爵領に入ったわね」

と呟く。この静寂さは道が可能な限り平である証拠その技術に触れられた感動を味わっていると、

「ミラ驚くのはまだ早いわよ」

と意味深な笑顔で言うお母様、この先何が私の前に現れるのか。


侯爵邸に着いたようだ。御者が扉を開けて目の前に話だけ聞いていた美しい建物が

「お母様、あの透明で大きな窓私初めて見ましたわ」

と言う私に

「中が凄いのよ」

と意味深な言葉、まだこれ以上の驚きが・・・。


中に入って直ぐに気づいた、

「外と温度が違うわ、馬車もそうだったが外は肌寒い季節なのに室内は小春日のような風がどこからか吹いている」

侯爵家の家族と挨拶をしていると隅に若い貴族がいるのに気づいた、

「彼は・・・もしかして」

と思っていると、侯爵様が

「ミラージュ王女様、紹介したい者がおります」

と言いながらその若者を呼び

「これは我が侯爵家の家宝と言える家臣でハルト男爵です。今後もお世話の責任者となりますので、困ったことがありましたら何でも申し付けください。」

と言いながら紹介した。私が

「第四王女ミラージュですハルト男爵よろしく」

と言うと

「お初に御目見します、若輩ながら侯爵家滞在中は私がお世話いたしますので気軽にお声掛けください」

と挨拶して下がっていった。するとお母様がそっと

「ミラ、彼を軽く見てはダメよできれば親しくなりなさい」

と囁いた。

その時彼がこの侯爵領の発展の中心だと思った。



ーー 夢のような生活空間


私はここまで侯爵家の技術が高いとは考えていなかった、

・夜になるとスミスの街に光が入り侯爵邸から見下ろす風景は光の宝石だった。

・部屋はどこも過ごしやすくソファーやベッドの気持ちよさは驚きだった。

・お風呂棟と呼ばれる別棟に移動して入ったお風呂やビューティー室と呼ばれる

 ものは言葉にできないほどの気持ちよさと効果を肌に与えてくれた。

・夕食のディナーは見たこともない料理やデザートそれと美しいグラスに注がれ

 た飲み物と私の常識を破壊するには十分だった。

思わず侯爵家のクリスティーナ、メジーナ両お嬢様に

「私もここに生まれたかった」

と思わずこぼしたほど。


でも驚いたのはここまでではなかった、クリスティーナ様が

「ミラージュ王女様、明日はハルト男爵の家に遊びに行きましょう。」

と言い出したのだ。

侯爵令嬢が家臣の男爵の家に遊びに行くと言うのは普通では考えられないのだが、何でもここ以上の快適な家だと言うのです。是非見学してみたい私は

「もちろんお願いしますわ」

と答えていた。


次の日お母様にハルト男爵の家にミラージュ嬢と遊びに行くと伝えると

「楽しんできなさい」

と送り出された。

馬車に乗り走り出したと思うと直ぐに男爵邸に着いた

「意外とそばにあるのね」

と言う私にミラージュ嬢が

「ええそうよ、でもねその中は想像以上よ。」

と微笑んだ。


馬車を降りると豪華な屋敷と丸太で作られた二階建ての屋敷が見えたするとミラージュ嬢が

「あのログハウスという家がすごいのよ後で見せてあげるわ」

と自分の家のように話した。

男爵は屋敷の前で迎えてくれた、

「こんなところまで来ていただき恐縮します、お寛ぎいただければ幸いです」

と言いながら屋敷内にエスコートしてくれた。


屋敷に入るとすぐに気づいた侯爵邸と同じ過ごしやすい環境に

「男爵様なぜここはこんなに気持ちがいいの?」

と尋ねる私に

「空調を整えているのです。空調とは温度や湿度を過ごしやすい数値に保つことを言います」

と説明してくださったがよくわからなかった、魔道具なのかしら。

屋敷は3階建てで3階に広いダイニングがあったがそこに入ると侯爵領が見渡せるような透明な窓が3方を見渡せるように造られていたが空にいるような気持ちがした。

「この風景はここだけのものよ絶景でしょ」

と自慢げにミラージュ嬢が言うがその通りだと思った。


さらに驚いたのはトイレだ侯爵家に置かれていた便器は暖かく清潔で良い香りさえしていたがここも同じ。こんなトイレなら欲しいと思ったのは我儘なのか。

お昼は隣のログハウスでということで移動したが私はここで思い違いに気づいた。普通なら豪華な屋敷が贅を尽くしていると思うとこだがここではこの丸太を組んだ家が1番贅沢な家だった。


扉を開けると

「ここで靴を脱いでください。」

と言われスリッパという履物に履き替えさせられた。そのあと木製のローカという通路を歩くと内扉の中に不思議な空間が。

植物で編まれたと思える床材はふかふかとし、不思議な照明が照らす室内は光り輝いていたが夜もこの灯りだとこっそりミラージュ嬢が囁いた。ふかふかのソファーに座ると見たこともないお菓子がお茶と共に出された。

「この甘い香りのお菓子は何?」

と尋ねると

「これがショートケーキ、こちらが焼き菓子、こちらがプリンというデザートです」

と言いながら4種類の器に入ったお茶を出して

「これが緑茶、これがミルクティー、これが紅茶、これがコーヒーですお気に入りをお飲みください」

というと何かの準備に下がった男爵。するとミラージュ嬢が

「私はこのショートケーキとミルクティーが好きなの」

というのを聞きながら私も少しずつ取り分けしながら口にするとどれも信じられないほど美味しかった、

「これすごく美味しいわ」

という私にミラージュ嬢が

「ここはこの世で1番贅沢な家なのよ」

と自慢げに答えた。


私は棚に沢山の本があることに気づいた、

「あれはみな本なの?」

私の言葉に戻ってきた男爵が

「そうですね本といえば本ですが見たこともないものだと思いますよ。好きなものがあれば見て構いませんのでどうぞお手にお取りください」

という言葉に興味を惹かれた私は美しい絵の書かれた本を手に取り開いた、するとそこには現実と見間違うような絵が切り取られたようぬ何枚も綴られていた

「これは絵画ですか?」

私の言葉に

「それはファッションの本ですね、洋服のカタログというものですよ」

との答え半分も理解できなかったが、絵の女性たちは美しい洋服を着こなし楽しそうな表情を見せていた。

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