第3話 本格的な冒険
ーー 現代日本に帰ってからの日々
大金を得た後クルーザーなどを購入したりしていた為、外国に向かうことは可能だが流石に身分証がない(今の若返った姿の)のでネットで偽造パスポートを入手してアメリカに飛ぶ。収納魔法が使えることから武器を購入しても見つからずに持ち帰られると分かったからだ。収納量は未だわからずだが魔力量かレベルで増加しそうだ。
車も購入しアウトドア用の商品や酒や食料も購入した。一つ分かったことが収納されたものの時間が停止しているということだ、生ものを購入できることは非常に便利だった。
ログハウスを注文した。
収納出来るのなら家ごと持ち運ぶのも良いかなと考えたのだ。他にもベッドや寝具に発電機に充電池など電力がない場所でも使えるように太陽光パネルも設置した。
ログハウスを収納するとあまり余裕がないことが感じられた。そこでもう一度レベル上げしてから本格的な旅をすることにした。
裏山の隧道に購入したジープで向かう同じ道を使いあの森にのそばに着くと新たに購入した火器を持って森に入る。
夕方まで狩るをすると鑑定で知った魔物
・ワイバーン(翼竜)
・タイガーホーン(サーベルタイガー)
・デビルスネーク(大蛇)
・ビッグボア(大きな猪)
・フォーハンドベア(4本腕のクマ)
・バジリスク(大きなトカゲ)
・サラマンダー(火を吹くトカゲ)
などを数多く仕留めるとレベルが50に達し、魔法もいくつかレベルが上がった。驚いたのは身体異常耐性が5まで上がったことだ、予想だが一時的に体が動かなくなったり痺れたり火を浴びたりしたのがその理由かとも思うが、今では異常は全く感じなくなった。
全ての魔物を収納し家に戻るともう一度ログハウスを収納してみる。
「全く問題ない、かなり容量が増えたようだ」
ニヤリとしながら今まで準備した物を収納し再度の旅に備えた。
ーー 本格的な旅開始
森を余裕をもって抜けた俺はその先の砂漠をジープを飛ばして進んでいた。時々地面の下に魔物の存在を感じるが速度的に追いつかないようで直ぐに感じられなくなる。
3日後砂漠を抜けた。
ガソリンもドラム缶で100個収納していたがリッター5のジープでは心もとないこの世界でも原油かガソリンがあれば良いのだが、夜は別に購入したキャンピングカーを取り出してシャワーと食事をして眠るようにしていたので疲れはそれほど感じない。
砂漠を抜け半日ほどで轍を見つけた。
「馬車か何かが通った後だ、人が近くにいるか通り道のようだ」
期待に胸を熱くして轍の後を追う。
夕方まで走るも見つけられなかったのでこの辺りで野宿をしようと思ったところで周辺を敵索するためにサーチの魔法を発動すると、距離3km先で魔物と人と思われる存在を見つけた、車を収納しバイクに乗り換え向かう。
「おお、あそこに馬車が見えるぞ。それに狼のような魔物の群れと戦っているようだ。」
様子を見ていると魔物は30頭、馬車は2台、護衛は・・8人で既に4人は戦闘不能になりこのままでは生存の危機のようだ。すると馬車から一人の少女が現れ杖を振いながら魔法で攻撃を始めた。
「ファイアーアロー」「ファイアーアロー」
繰り返す攻撃魔法しかし魔力が尽きたか魔物残り10頭というところで馬車に戻った。護衛は最後の力を使い魔物を攻撃すると魔物が逃げ始めた。
「やったぞ、速く怪我人にポーションを飲ませろ」
「直ぐに移動するぞ」
などと声が聞こえ始めホッとしているがかなり焦っている様子が見えたその理由が直ぐに分かった。
進行方向に魔物の存在が、
「先程の攻撃は捨て駒で獲物の疲れを狙ったものか、本体はこれから攻撃体制に入るわけか!今度の魔物は先ほどより強そうだ。」
オオカミ系の魔物は動物と同じく群れで獲物を狩るがその際頭を使うことが多い次の攻撃にあの馬車は耐えられないさそうだな。
そう思いながら馬車の後を少し離れてついて行くと1kmほど先で完全に魔物に取り囲まれたしかも先ほどより体格の大きいオオカミ系の魔物20頭だ。
馬車は魔物を突っ切ることを考えたようだ。先程の少女が馬車の上に登り火魔法を前方に3つ続けざま放つ。2頭ほどが吹き飛ぶが殺すまでには至らない耐性があるか身体能力が高いのだろう。
馬が魔物に倒され先頭の馬車が横倒しになる。後続の馬車にも魔物が襲いかかる弓矢で攻撃するが刺さらないようだ、。御者が倒され馬が攻撃を受け馬車が横倒しに、屋根にいた少女も飛ばされる。
動ける護衛は残り3人、絶体絶命のようだここで俺は介入することにする。ライフルで一頭ずつヘッドショットとすると流石にワイバーンを倒すだけのことはある、1発ずつで吹き飛ばされるオオカミ系魔物がそのまま死に絶える。
10頭倒したところで諦めたボスがこちらを見ながら去っていった。
倒れた馬車にゆっくり近づきながら声をかける
「大丈夫ですか?魔物は追い払いましたがみなさん無事ですか?」
と、すると足を引きずりながら護衛の隊長らしい男性が馬車と俺の間に立ち
「そこで止まれ、お前は誰だ魔物が去ったというが本当か?」
と厳しい口調で聞いてきた。
「俺は旅人のハルト、俺の攻撃魔法で10頭ほど倒したら残りは逃げていったもう来ないだろう」
と答えると周囲を確認していた他の護衛が何事か囁き
「話はわかった、危ないところありがとう。俺は護衛リーダーのゴンズだ」
と言うと身体を動かせる護衛に怪我人の手当てと馬車の人物の無事を確認していた。
その頃屋根から飛ばされていた少女がよろけながら馬車の元に近づき
「ご主人様大丈夫ですか?」
と扉を開けて中を覗き込んでいた。
俺は馬車に近づくと
「手伝おう」
と言いながら横倒しの馬車の上に登り手を差し伸べて中の人物を外に引き上げていった。中には3人がいて大きな怪我はしていないようだった。
もう一つの馬車にも向かい、中の警護の怪我人と思う男らを引き上げ外に出すと大型のテントを取り出した。その後簡易ベットを10台ほど取り出し設置すると怪我人らをそこに寝かせた。
その様子を見ていた魔法使いの少女が驚きの目を向けていたが無視しながら怪我人の治療にあたった、
「ヒール」
怪我の程度に合わせて怪我を癒していくとオオカミに喉笛を食いちぎられた御者と運悪く馬車の下敷きにあった御者及び魔物に倒された警護の男3名が既に息を引き取っていた。
残りは警護が5人と馬車の3人と魔法少女の合わせて9人だ。
「治療ありがとう。ポーションだけではここまで回復できなかった本当にありがとう、街に着いたら対価を払おう。」
ゴンズといった男がそう言うと周囲の警戒をし始めた。
馬車に乗っていたのは親子のようだった、
・30歳台の男性
・20台後半の女性
・10台前半の少女
で無事を喜んでいたが馬車が使い物にならないことにこれからのことを思案中だったようだ。
そこで忘れていたことを思い出したように男が俺に近づき
「お礼が遅くなって申し訳ない、私はスミスの街で商会を営むコージー=キッドという者です。あれらは私の妻と娘危ないとことを助けていただきありがとうございました。しかしこの状態では街まで安全に向かえるか分からず貴方への感謝が遅れて申し訳ありません。」
と丁寧に謝罪とお礼を言うので
「私は旅のものです。ここから目的の街まで馬車でどのくらいの距離ですか?」
と聞くと
「ここからなら3日と言うとこでしょうか、ただ歩きとなれば7〜10日はかかるでしょう。」
と言うので提案をした
「もし宜しければ俺の魔道馬車で送りましょうか?」
と言うと
「魔道馬車?・・・本当ですか、宜しければお願いします。しかしこの人数では商品はここで捨てておかなければなりませんね」
と言うので
「俺は収納魔法が使えるので馬車の荷物くらいは持って行けますよ。」
と答えると
「…収納魔法・・それならよろしくお願いします。」
と半信半疑ながら藁をも掴む勢いでおねがいしてきたので
「はい大丈夫です、取り敢えず今日はここで野営しましょう。」
と言いながら護衛のゴンズに話を通した。
すると今度は魔法少女が近づき
「貴方は賢者ですか?」
と聞いてきたのでその理由を尋ねると
「治療魔法と攻撃魔法を使える上に収納魔法と言う貴重な魔法が使えるから」
と答えてくれた。そうか収納魔法は人に知られると不味かったかでもしょうがないか。
「俺はハルト=レイン 賢者ではなく旅人だ、君の名は」
と聞くと
「私はキッド様の専属護衛のセリアよ、火魔法が得意なのよろしく。」
と答えてくれた。
ーー 発達した化学は魔法と同じ?
次の朝俺は朝食を振る舞うと作業に入った。
2台の馬車を起こすと車軸が折れていたがそれぞれの部品を使いまわせば一台は動かせそうだしかしそれを引く馬がいないがこれは問題ない。
荷物を収納して空の一台に警護の男らを乗せそれを収納から取り出したジープで引くのである。魔道馬車があると言っていたがそれを見たものは一応に驚いていた。
キッド家族と魔法少女のセリアを後部座席に乗せ車を発進させると馬車を問題なくかなりの速度で引いて進み始めた。
「この魔道馬車はどこの国のものでしょうか?この様な馬車が有ると聞いたことがなく是非可能ならば購入したいのですが」
キッド氏が聞いてきた
「申し訳ありません俺自身のものではありますが、砂漠の向こうの森の先で記憶を無くした状態で目覚めた俺はどこの出身かどころか何も覚えていないのです。
そこであてもなく移動していて貴方たちに出会ったんですよ。」
と言うとキッド氏が
「なるほどどこかのダンジョンの移転罠にでも掛かってしまったのでしょう。
おかげで私たちは助かりましたがそれなら行くあてもないでしょう、宜しければ街に着いたら私の家で面倒を見させてください」
と言うので
「そうですね、全く世の中の常識すら分からなくなって困っていましたよろしくお願いします」
と答えていた。
予定より早く街が見えてきた、ジープの速度が早い為2日で到着した様だ。
「あれがスミスの街です」
キッド氏が言うのを聞きながら
「俺は身分証自体がないようなのですが街に入れますか?」
と聞くと
「大丈夫です私が保証いたします。それにどこかのギルドにかに登録すれば身分証は直ぐに発行できますよ」
と教えてくれた。
街は高い城壁で囲まれた城塞都市で人口5万人の街で、この地方を収める領主が住んでいるそうだがとても領民思いの領主だと話してくれた。
城壁の出入り口に並んでいるとかなりの視線を感じていた、
「流石に魔道馬車は目立ちますからね」
とキッド氏が言うと他の者も頷いていたが少し話をし始めた娘のリアンちゃんが
「でもこの馬車に乗ったら他の馬車にに乗れないわ、ハルトさんどうにかならないの?」
と言う少女に
「仕組みは分かるので乗り心地ならなんとかなるかも」
と言ったところでキッド氏が
「何と、それなら我が商会で開発してもらっていいですか?」
と前のめりで話に入ってきたので
「ええ、良いですが絶対とは言い切れませんよ。」
と断って
「ただ最低でも粘り強い鋼と真球を作る技術がこの国にあれば可能かと」
と言うと
「よく分かりませんが職人はおりますので近いうちによろしくお願いします」
と言ってこの話は終わった。
門でちょつとしたことが起きたが、キッド氏の顔でことなきを得て冒険者ギルドを経由してキッド氏の商会に移動した。
冒険者ギルドにおいても依頼の完了を報告したゴンズとキッド氏が、魔物の襲撃などの報告をしたのち俺は収納していた魔物を取り出すと
「これはダイアウルフではないか」
と後から襲ってきた魔物は意外と有名な魔物の様だった。ついでに他の魔物の評価が知りたかった俺は
「まだ沢山の魔物を持ってきているが何処で買い取って貰えば良いのか?」
と尋ねると、「裏に」と言われ裏の倉庫に向かいそこで
「ここで良いのか?1種類ずつ出すので評価と買取をお願いする」
と言いながら
・ワイバーン(翼竜)
・タイガーホーン(サーベルタイガー)
・デビルスネーク(大蛇)
・ビッグボア(大きな猪)
・フォーハンドベア(4本腕のクマ)
・バジリスク(大きなトカゲ)
・サラマンダー(火を吹くトカゲ)
を取り出すとそこは阿鼻叫喚の状態になった。
「おいこれはどうしたんだ、お前が倒したのか?」
なんか呼び出された偉そうな男が命令口調で聞くので少しばかりムッとして
「誰だおっさん、偉そうに相手を見て聞けよ」
と言うと真っ赤になった男は俺に対し
「俺はここのギルマスだ、小僧本当のことを言えこれはどうしたんだ」
とまた言うので
「おいおっさん、お前はこれらの魔物を一人で倒せるのか?もし倒せないのならこれを一人で倒す俺の機嫌を悪くすることがどんな事かわかっているのか!」
と威圧をしながら言うと、赤い顔が真っ青になって
「待て、俺が悪かった。おま・・君がこれを討伐したで良いのか?」
と少しばかり言葉を変えたので
「そうだよここから砂漠を超えた先の森で倒した魔物だ」
と答えると
「え!あの砂漠の先の森で・・信じられん。」
と言いながら
「確かにあそこならこの魔物たちも説明がつくがそれよりも新し過ぎないか?」
とまた疑問が湧いてきた様だが俺が無視して
「どのくらいで評価買取できるんだ」
と別の職員に話しかけると
「ものが物だから明日まで待ってもらって良いかい、これが引き換えの手形だ」
と言うので
「分かった俺はキッド氏の商会に居るから」
と言いながらその場を離れた。
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