ポップコーンとキャンディの魔法~アホな愛弟子に殺されました~

神庭

第1話 既に死亡

 私の名はウィリアム=ミヌエット。


 私はかつて、世界最強の名を欲しいままにした大魔法使いであった。


 人並み外れた魔力量と強さで、齢500を越えるまで、現役の魔法使いとして働いた。王家に召し抱えられていただけあって、給料も待遇も言うことなしであった。


 特に体に不調が出ることもなく、元気に暮らしておった。


 また、私は多くの魔法使いの弟子をとり、今までに育てた弟子の数は100人にものぼった。ほとんどすべての弟子たちは、有名或いは優秀な魔法使いとなって、私の元を巣立っていった。


 さて、お気付きであろうか。


 私の自分語りが、すべて過去のものであることを。


 私が最強の魔法使いと謳われたのは、昨日の晩までだった。


「ひーん。お師匠様を殺してしまいましたぁ」


 そう。


 私は、このウィリアムに殺された。


 死んだあとの世界でまで最強かどうかは、ちょっとわからんのである。


《つづく》

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