紅蓮の炎

高倉雅

第1話 希望の翼

ここはフランスーパリの街

ここは花の都と言われるパリの街は芸術食スポーツが盛んでありいわゆる世界一の観光地である。

そこに日本からやってきた留学生の林瞳が演劇の練習をしておりそこで学園で執り行われている演劇のリバーサルを瞳は演出と同時に出演をしていた。

「はい、もう少し自然な感じで力まないようにして!」

瞳は少しお節介なところがあるがそれは演出は自然的でなければならないという彼女のポリシー故に縁起は自然と共にあるという理念から俳優にはオーバーアクションにならずに自然的ありのままの姿を出して演出の幅を広げにいくのが林瞳の優しさに満ち溢れた演出法である。

「教え方がとても優しいですね林さんは。まるでバードウォッチングのツアーに行くような感じで見ている人を共感できるような演出はとてもいいと思いました!」

「私もです!林さんは演技の演出に関しては超一流で役者さんの事を第一に考えてとてもいい演出は良かったです!」

林瞳の演出は役者からも評判が高い、たとえいい演技をしないからと言って灰皿を投げつけたり罵声を浴びせたりしない彼女のやり方は慈悲に満ちておりどんなに失敗しても傷を舐め合うように慰めるいい演出をしている。

「そんな事はありませんよ・・・私はただ皆さんがいい気持ち演技できるように努力してきただけです。」

「あ、もうすぐ時間だ・・・!明日もお願いしますね瞳さん!」

「はいお疲れ様です!」

こうして演技の練習も終わり瞳も一安心して明日に備えての準備をしていた。

そして瞳も帰る準備をしている時スマホから何やらテロリストが暴れ回っているとの情報がある。

「どうやらこのフランスも昔みたいに安全では無い事は確かですね。」

それもそのはずここ最近フランスは他国からの難民を受け入れておりそのせいでテロリストの格好の餌食になるようにテロ事件が瞬く間に起きている。保守派が移民の規制を掲げるものの左翼系の与党に屈服する事になりそしていつの間にかフランスはテロの温室のようになってしまった。

「遅くなったらテロリストに襲われてしまいますので急いで帰らなければ。」

瞳は急いでテロに巻き込まれないように急足で帰っていった。

「早く急いで帰らなきゃ・・・このままテロにあったらたまったもんじゃない。」

瞳はテロの恐ろしさをニュースで感じていた事から瞳には死の恐怖というものがあった。

ブロロロロロロロロ・・・・!!

突如として謎の黒塗りのバイクの集団が瞳の所を囲んでいた。

「ちょっと失礼するよお嬢さん・・・俺たちは通りすがりのバイク集団だ、ちょっと道案内して欲しいだけなんだなぁどこに行けばパリの大通りに行けるのかあんたはこう見えて観光客であるが有名な大通りの事は分かっているよな。」

瞳はそのバイクのマークを見た。それは間違いなく今最も危険視されているテロリストグループ「シャイターン」奴らにとって一般市民など邪魔者でしかない考えており目的のためなら一般人を虐殺するという他のテロリストからも恐れられている存在で関わったら最後無惨な死を遂げるという。

「この人たちはテロリストの中でタチの悪いシャイターンのチーム・・・あまりにも残虐すぎて軍のものでさえ彼らの捕縛に怯えるという。それなのに何故彼らは私にしつこく絡むの?」

ルナールは困惑したがもし親切に道案内をしたら被害が尋常じゃないくらいに大変なことになる事を察したルナールはわざと違う人気のいないルートを教えた。

「あんまり人気のない所へ行った方が大通りへの近道ですよ多分・・・」

瞳は困惑しながら道案内をした。

「どうしよう・・・もしこのまま騙されるような奴らではない事なのは分かっているけどだからと言って野放しにしたら大変な事になるのは確実・・・!!」

シャイターンを騙してもその嘘はいつかはバレると緊迫するルナールだったが・・・シャイターンはこれを素直に受け入れた。

「そうか・・・もし嘘だったらお前を殺しにくるからな・・・」

もし嘘がバレてしまって殺されそうになったとしても落ち着いた対応をすればなんとかなると自分に言い聞かせるルナール。

そして何事もなくシャイターンはルナールの元を去ったがルナールは決して緊張の糸を切る事はしなかった。もし油断していたら足元を掬われる。それは絶対に油断ができない状況にルナール入るのであった。

「ようやくここを離れてくれたのね・・・でも油断はできない、もし無関係な人間が巻き込まれたら大変な事に!」

ルナールはすぐさまシャイターンの後を慎重に追った。自分のせいで無関係な人間が大勢犠牲になる事など決して出来なかったのだ。

それに気がついたのかシャイターンの1人が異変に気がついた。

「ちょっと待ってくれ何か変じゃないか?」

「どうした急に?」

「さっき道案内した小娘は何故か間違った道案内をしていたと聞くが・・・大通りからかなり離れた所に行っているんじゃ無いか俺達?」

「もしかして・・・あの小娘!探したら確実になぶり殺してやる!」

ようやく瞳の道案内が間違っている事を気づいたシャイターンは急いで瞳の下へ猛スピードで駆け抜けた。それに瞳は偶然のようにシャイターンを誘導した。

「こっちですよお馬鹿さん達!」

瞳は人気の居ない所で誘うためにシャイターンを煽った。

「またあの女だ!またオレ達を誘惑しようと企む!」

「いや待て!あの女を徹底的に追い詰めてこのまま殺すのはどうだ!」

「そりゃいい!あの女に仕返しできる会ができて良かったよ!」

シャイターンは瞳の後をバイクで追いかけた。

「これはいい機会だわ。あとは人気のいない所で私がシャイターンを誘き寄せればあとは奴らを廃劇場に追い込んでそこに火をつけて閉じ込めれば奴らを一網打尽にできる。この賭けに賭けるしかない・・・!!」

瞳は一か八かの大賭けに挑んだ。彼女は常に体を鍛え上げている為走るのも早いしパルクールもお手のものだった。

「くそ!あいつは早い!なんなんだこの身体能力は!?」

彼女の身体能力の高さは並外れたものであるがそれは元からあったものではない・・・彼女は幼き頃から努力を怠らずに日々鍛え上げたのだった。彼女は才能や血統に恵まれたのではない・・・単に彼女は自らの努力で脅威的な身体能力を会得したのだった。

「幼いうちから鍛えた私の脚力は暴走バイクを追い抜く程の速さを持っている。急いであの廃劇場へ奴らを追い込まないと・・・後で大変な事になってしまう!」

瞳は急いで廃劇場へシャイターンを誘わせて廃劇場へと追い込んだ。

「どこに行ったあの子娘!憎たらしい程に素早い野郎だ!」

シャイターンも素早く逃げてばかりいる瞳に怒りが込み上がっている・・・それも束の間。

ボオオオ・・・!!

「おいお前!」

1人のシャイターンのメンバーが何か異変に気がついた。

「なんだ!急にトイレに行きたくなったりとは言わないでくれよな・・・後々面倒だからあそこにトイレがあるじゃないか。」

何やら異変に気がついたシャイターンメンバーだったが煙が込み上げて何やら焦げ臭い匂いが漂っている。

「何やら焼けるように熱いぞ!」

「ほら言わんこっちゃない!俺たちはあの女に嵌められたんだよ!罠なんだこの廃劇場に誘き寄せたのはネズミ捕りに引っかかるネズミのように殺しまくるんだよ!」

そう、彼女はシャイターンのメンバーがこの廃劇場に入り込んだ隙に持っていたライターであらゆる所に火をつけて焼き殺そうとしていた。

バタン!

扉が急に閉まった。

「なんだ!?扉が急に閉まって俺達は罠にはまってしまったのか!?」

「この野郎!扉に鍵を掛けたとしてもこっちには武器があるんだ・・・!」

シャイターンのリーダー格が手榴弾を投げ込んだ。

「さぁ!これでお前も袋の鼠だな・・・」

ドカァァン! 手榴弾の爆発で扉が開いた。

「うわぁ!」

そこには今にも火をつけようとしている瞳の姿があった!

「お嬢ちゃん・・・火遊びは危ないからおじさんの所へそのライターを私なさい。何も悪い事はしないからさ・・・」

その言葉に信用できない瞳は。

「そんなに火遊びが危険なら貴方に暮れてやりますよ!」

瞳はライターをシャイターンのリーダー格に投げた。

だがしかしそのライターをリーダー格の男に跳ね飛ばされた。

「くそ!貴方達に屈する私ではありません!」

「その心意気は認めるがそんな悪あがきも果たして続けるかどうかな?」

シャイターンのメンバーはざっと10人くらいいるそれに対して瞳はたった1人で立ち向かうにはあまりにも無謀すぎるのであった。

「貴様をこの場で殺してやるぜ!」

1人のシャイターンの者がナイフを手に瞳に襲いかかった。

「あなたはつめが甘すぎる。」

瞳は合気道の構えをして迎撃体制に入った。

「何を小癪な真似を!」

シャイターンの者がナイフを瞳の腹に突き刺そうとした時右腕を掴まされそして・・・

ドシィィン!! 「うぐわぁ!?」

瞳は全体重をシャイターンの右腕に集中して一本背負をした。

ボキボキ・・・・!!そしてシャイターンの右腕の骨は再起不能に陥る程に粉々になった・・・

「ウワァァァァァ!!」

もがき苦しんでいるシャイターンのメンバーに他のシャイターンの者もますます怯えるような感じになっていった。

「な、なんなんだこの化け物女は!俺達に敵うのか?」

他のシャイターンのメンバーがビクビク怯えている中リーダー格は怯む事なく余裕の表情だった。

「何怯える事は無いだろう・・・そもそもこっちは9対1の状況、どう見たって俺達の優勢状況だ。」

「あ、ああそうだ!こっちは数で有利なんだ!臆する事は何も無い!」

そしてシャイターンのメンバーは一斉に銃を手に持って瞳を射殺しようとした。

「観念しろ小娘!」

シャイターンが一斉に銃撃をしようとした時・・・

「あなたにはまだ働いてもらいます。」

瞳は右腕を折ったシャイターンを持ち上げて。

「おい、な、何をるすんだ!」

ドバババババ・・・!!!

「わぁが・・・・・・!」

瞳はシャイターンのメンバーを肉の盾にして自らの身を守りシャイターンの所まで近づいた。

「お忘れ物ですよ!」

瞳はただの肉塊となったシャイターンのメンバーを銃を持ったメンバーに向かって投げ飛ばした。

ドスゥン・・・!1

「うわぁああ!!」

瞳は真っ先にリーダー格とシャイターンのメンバーを1人残らず殺す事を決意した。

「こっちに近づいて・・・うぐわぁ!」

瞳は拳をシャイターンの腹部に打った挙句臓器がぐちゃぐちゃになるほどに強烈な一撃を打ち込んだ。

「なんて野郎だ・・・この熱い状況でスタミナが持つわけないだろう・・」

それもそのはずこの熱い状況では熱中症の危険性があり、徐々に水分や塩分を失うどころかめまいや痙攣吐き気頭痛意識障害脳梗塞脳卒中くも膜下出血の危険性もある。

「まずい・・・このままだと熱中症で意識が朦朧としてしまう。このままくたばるわけにはいかない・・・こいつらをなんとかしなければ。」

瞳は速攻にシャイターンの連中を殺そうとしたがそのシャイターンの実力も相当なものであった。」

「いい加減にしろよお嬢ちゃん・・・今すぐにでも地獄に落としてやるよ・・・!」

そう言うとリーダー格は他のシャイターンのメンバーと戦っている瞳を後ろから鈍器で殴った。

ガン!

「うっ・・・・・!」

瞳は意識朦朧となった・・・こんな簡単な卑怯な手にやられるなんて・・・

「よしこのまま脱出するぞ・・・」

リーダー格はこの燃え盛る廃劇場を脱出しようとしたが・・・

「一つ心残りだがこの女の意識はもうない、だから速やかに殺した方が唯一の情けだ・・・」

リーダー格はカッコつけたかのようにニヤリとしてた。

「悪くも思うなよ不届きもの目が・・・」

リーダー格が拳銃を瞳の頭部に突きつけたその時・・・

「それはお前の方だろ・・・」

なにやら不穏な声がリーダー格を炎の中が冷え込むほどの冷たい吐息で応えかけていた。

「なんだ今のは・・・!!!」

リーダー格が周りを見渡すとそこには無惨に殺されたシャイターンの者たちが1人残らず殺された。

「これは幻聴か・・・!?ああ、これは全くの幻聴だこんな炎の中から誰かが・・・」

リーダー格がキョロキョロ見渡すと。

ドン!

なんと赤い服の女が炎の中から現れた・・・その女は2mくらいの大きさで見かけは容姿端麗な妖艶な女であったが何か嫌な殺気を放っていると分かったリーダー格はすぐさまこの場を逃げようとした・・・が・・・

「この私が幻聴だとよく抜かしたことを言えたもんだ。」

「へ、へぇ・・・俺はこの燃え盛る廃劇場をどうしたら抜け出せるかと思って・・・」

その話は呆れながらも流していったが赤い女の目線はリーダー格よりも頭から血を流して意識を失っている瞳を見て血相を変えた。

「一つ尋ねるがこの小娘を頭を殴ったのはお前か?」

その目は血の色のように赤くなっていた。

「ひぃ・・・!なんなんだこの女は全く感情が読み取れない・・・!こんな奴に俺が倒せると思っているのか?所詮は俺の幻覚が作り出したものだ、何があろうこの窮地をなんとかして見せる!」

リーダー格はバレないようにあえて嘘をついた。

「こいつは階段から転んで頭から血を流しているんだ後ろの方から血を流して大変なんだ!なぁあんた助けてくれよ!」

自分が殴ったではなく後ろから階段から転んで血を流していると言い訳したがその行為がリーダー格が墓穴を掘るような行いであった。リーダー格が息を切らしながらこの土壇場を乗り切ろうとしたが不可解に思った赤い女はすぐにバレてしまった。

「お前がやっただろう・・・私はこの小娘を見てふと思った階段は4mも離れたいるのにそこから離れている合間に血は流れて跡がつくがこの怪我は事故ではなく人事的にできたものだ。つまりお前がやった・・・」

赤い女の目は過去現在未来を見渡すことができるのであった。

「なにを抜かすのか!・お前が殺した奴らがやったんだ!奴らがこの可哀想な小娘を殺めようとしたんだ!」

リーダー格は罪を部下になすりつけようとしたがそれも無駄だった。

「仮にお前の部下がこの小娘を殺そうとしても返り討ちになったのかもしれないな・・・私に嘘が通用すると思ったら大間違いだぞ・・・!」

ブン!

ブジャアアアア・・・!

女はリーダー格を粉微塵にした。たった一撃素手で・・・

「チッ・・・全く骨のない奴だったな・・・さてと、この娘をどうしたもんだかな・・・」

女は人助けがあんまり趣味ではないのでいい加減ながらも瞳を燃え盛る廃劇場から助け出し傷口を癒した。


「・・・・・・・うっ・・・・ここは、あいつら入った何処に?もしかして逃げられたんじゃ、私は不意をつかれたせいで逃げられてしまったなんてことは・・・」

「安心しろ、そいつらは1人残らず殺した。お前が心配することは決してない。」

瞳はなにやら奇妙は気がしたがシャイターンの連中が死んだということでホッとした。

「で、お名前はなんですか?」

瞳は女に名前を問う。

「ん?私の名前か?それを聞いてなんの得になる?」

女は名前を出すのを拒否しているのだったが・・・

「それでもお名前を聞きたいのです!」

瞳のお願いにより名前を嫌そうに言う女はこういった。

「私は死神、人鬼グレン・・・これで満足か?」

「はい、林瞳と申します!」

瞳も自己紹介したがグレンは瞳を嘘を見破った。

「お前、偽名を使っているな?誰にも言わないから本当の名前を言ってみろ・・・強制はしない。」

グレンは少し脅しまがいなことを言ったが瞳は自分の偽名を見破れらため仕方なく自分の本名を言った。

「仕方ありませんね・・・私が林瞳を名乗っているのが嘘だなんてあなたはどんな目を持っていますか?」

「私は私の事情とかで忙しい・・・私は真実を見る目を持っているただそれだけだ・・・」

「申し遅れました・・・私はルナール・ポランスキー、父は映画俳優兼映画監督母は日本で巫女をやったものです。私こう見えて女優の卵なんです。」

そのポランスキーの名前に耳を疑ったかのようにグレンは驚いた感じだった。

「ポランスキー?」

グレンがポランスキーの名前を知っているかの様な感じであった・・・

「祖母のことをごぞんですかグレンさんこれは決して人前で名乗ってはいけないと祖母から林瞳を名乗る様に申されたので・・・」

その祖母という言葉にまたしても驚きを隠せなかったグレンであったが一旦冷静になった。

「なぜシャロ・・・コホン、祖母から偽名を使えと言われたんだ?」

その偽名を使ってまでも林瞳と名乗る理由を話した。

「はい、私の両親は私が5歳の時に事故で亡くしてしまい兄や姉からは疫病神とされて私はアメリカで演技の練習をしましたがすぐさま私を殺そうとしている何者かが現れたので母と親しかった林さんという人の養子となって林瞳と名乗る様になったのです。」

彼女は自らの過去を離した。このことは祖母から他言厳禁とされて人にこのことを話したのはグレンが最初だった。

「お前を追っている何者の正体を私は知っている。それは悪魔という奴らだ・・・悪魔は人間を思うがままに操り人類を破滅へと追い込む悪しき存在、私は悪魔たちを1人残らず殺すのが人類のためだと思うが私は善でも悪でもない中立という立場にいるのだ。そこだけは勘違いしないでくれよ。」

グレンのいう通りこの世は悪魔という悪しき存在に蝕まれて人類を半分以下に減らして思う様に支配しているというものだった。そのことを決して許さないグレンは悪魔をこの世から抹消するために悪魔狩りをしている死神及び人鬼として悪魔たちを屠ってきた。

「私の両親を事故に見せかけて殺した人も悪魔に近いものですか?」

「まさしくそれに近い存在であるがこの話はまた今度だ・・・急いで悪魔組織を抹殺するぞ・・・」

「はい!」

2人は悪魔を屠るために悪魔狩りを改めて始めたのだった・・・


一方その頃シャイターンフランス支部にて


「何?グリンジャー率いるエリート部隊が1人残らず殺されただと!?」

咄嗟に怒り狂うその男の名はスピーカー、悪魔に魂を売って音響の力を手に入れた。その音響の鎧で衝動波による破壊で敵を粉砕する。

「はい、申し訳ございません・・・・グリンジャーのことですからなんとかなると思いましたが・・・」

「お前らは悪魔を崇拝する気あんのないのどっち!?俺があのボスの命令でフランスの大統領暗殺を企てまでも随分苦労をしたと思っているんだ!お前らの仕事が遅いかこうなるんだよ!」

スピーカーは他人転嫁しながらも怒りその起こり方はまさに部下を酷く怒鳴り散らかすブラック企業の上司そのものであった。

「大変です!謎の女2人が我々の支部に殴り込みにきました!」

「なんだと!一体ここの警備システムは一体どうなってんだ!」

フランス支部はもう既にグレンとルナールによって全滅間近になっていった。

バンバンバン! 「うぐわぁ!」

ルナールが敵から奪い取った銃を手に取りシャイターンのテロリスト達を抹殺した。

「これじゃキリがありませんね・・・グレンさん!あなた、腰につけている刀でなんとかしてくれませんか?」

グレンの腰には紫に色に輝く錆をつけた刀を持っているが・・・

「これはもしもの時の強敵及び悪魔を抹殺するためのものだからな、それにこんな弱いやつを相手に無闇にこの妖刀振り回したらたまった門じゃない。」

この刀は紅蓮の愛刀で強敵を倒すために収めているが弱い奴相手に決して使わないのはグレンの強さ故であろう。

「このやろー!」 バゴッ! 「ブヘェ!」

グレンの拳は敵の脳髄をぶちまけるほどに強烈なものであった。

「全くここの奴らは骨の奴ばかりなのか?ボスの顔が見てみたいぜ・・・」

その時・・・ ビュオオオン!!

「パギャ!」「ヒェェェェェェーーーーー!」

その音響波で部下がぐちゃぐちゃのケチャップみたいに木っ端微塵にされるのをルナールは目の当たりにしたが・・・

「やはり無能な上司の周りには無能な部下が纏わりつく・・・蛙の子は蛙みたいな感じですからね・・・」

グレンはスピーカーの攻撃は避けたものの哀れに上司に殺される部下を見て呆れていた。

「やはりお前がシャイターンのボスか・・・」

「いかにも!私はシャイターンのフランス支部の支部長のスピーカーだ!早速だがお前のせいで私の可愛い部下が殺されたじゃないかどうしてくれるんだ。」

他人転嫁までも部下の死をグレンに着せようとする姿に・・・

「こいつらも哀れだな、こんな無能な上司の為に命をかける必要ないのにな・・・残念残念。」

ブシャアア!! グレンがシャイターンのメンバーを1人残らず殺してスピーカーとの一騎打ちに入ろうとしていた。

「なんて血も涙もない女だ!そ、そうかこいつはボスの言っていたグレンだ・・・!!間違いない!私の予測が正しければこいつの首を持ち帰ればボスもきっと大喜びのはず!私はお前を倒してやる!」

人の心が読めるグレンは・・・

「お前みたいな二流悪魔が私に勝てるとでも思っているのか?抜かせ愚か者。格の違いを教え込んでやるよ。」

グレンがかかって来いとという姿勢で構えた。

「こい、お前の力を私に身でつけて見せろ・・・」

その言葉に促されるや否やスピーカーはまるで闘牛の様にグレンに襲いかかった。

「言われなくてもわかっているよ!」

その言葉通りにスピーカーはグレンに音響波を放ち木っ端微塵にしようとした。

「お前もミンチにしてやるよ!」

バビュン!音響波がグレンを貫こうとするがグレンは全く避けることはしない

「何やっているんですかグレンさん!音響波でやられてしまいますよ!」

ルナールがグレンの心配をするも・・・

「安心しろルナール。このくらいのことで私がやられると思っているのか?」

音響波がグレンの目の前に向かっている!

「ガハハ!勝った!」

スピーカーが勝利に酔いしれようとした時グレンは素手で音量波を触れそして・・・ シーーーン 音響波は無効となった。

「は!?」

スピーカーは訳がわからなくなってしまった。

「まだわからないのか?俺とお前の格の違いを・・・」

グレンは音響波を素手で見出して拡散させた。

「これがグレンさんの実力・・・こんな奴相手でも全く本意を出さないで勝つなんて、この人はいつか世界を救う救世・・・そんな言葉あの人には似合わないけどいつかは必ず悪魔から私たちから守ってくれる大切な存在になるのかも知れいない・・・」

ルナールは運命を察したのか彼女の力の凄みに尊敬の意を表した。

「この野郎!音響波が聴かないなら殴り殺すまでだ!」

スピーカーが見苦しくもグレンに殴りかかろうとした。

「こいつどんだけ頭悪いのだよ・・・まぁいい、思いっきり相手をしてやるよ・・・」

目の前に近づいたスピーカーにグレンは押し倒すように流れに任せて突き飛ばした。そしてその繰り返しを何度も何度も繰り返す様にしていった。

「グレンさんには一才の動きに無駄がなくまさに自然体で戦っているんだあの人は・・・気合や根性というものは全くなくまるでバードウォッチングをしているかのように私の目からは見えてくる。」

そして疲れたのかスピーカーは最後の悪あがきとして・・・

「こうなったら俺は体に爆弾を巻いている!お前らを道連れにしてやる!」

この時のスピーカーは興奮状態で目の前が真っ暗になっている。

「このように悪あがきするなんて見苦しい・・・」

ルナールも呆れているのであった。

「くそ!このまま俺が黙って殺されると思うなよ!冥土の土産に行ってやる!広島長崎の原爆は正しかったんだ!」

その言葉にルナールは怒りをあらわにしグレンは黙って見つめていた。

「なんてことを!あの惨劇が正しいというのですか!?」

ルナールは怒りをぶつけるようにスピーカーに怒鳴り込んだ。

「何度でも家!もし原爆が落とされなかったら世界は平和にならなかったんだ!少しは感謝の言葉すらないのか!?」

なんとも身勝手極まりない発言にルナールは怒りが収まらない。

だがしかしグレン本人は冷静そのままだった。こんなことを言われて一番怒りを覚えているのはグレン本人であるのにも関わらず彼女は怒るどころか静かなアカシアの木みたいに冷静沈着であった。

「グレンさん!あなたこんなこと言われて悔しくにあのですか!?」

ルナールの意見を聞くどころかグレンはただ静かに自らの過去を振り返った。


1945年8月6日 広島県

昔懐かしい街並みにひとつ豪華な一軒家に一人の5歳の少女がいた。彼女の名は高倉リサ、どこにでもいる心優しい少女で今日は友達と遊ぶ約束をしている。

「それではお婆さま・・・行って参ります。」

礼儀正しく清楚なお嬢様は一般市民の少女と遊ぼうとしたが彼女には両親がいない。父は沖縄戦にて戦死し母は元々病弱で父の死をきっかけに病状が悪化して病死した。彼女残されたのは頼りになる祖母だけであった。

「リサ、気をつけて行ってくるんだよ。」

「わかっていますお婆さま・・・」

大和撫子のような女の子は祖母に抱きしめた。

「あら、リサどうしたの急に・・・そういえばこの子は早くに両親を失ってからの初めての友達だったのね。緊張して心が怯えているのよね。」

曽祖母もリサに優しく抱きしめた。

「お前はいつも辛いことばかりさせてごめんね。でもお父様はお国のために・・・いいえ、有色人種の救済のために命をかけて白人優位の社会一石投じたのよ。有色人種を獣とあだなす白人は世界各地の有色人種の国を次々と侵略して文化を否定し奴隷として扱い富を得ていた。だけど日本はそれを決して許さなかった。むしろ白人の傲慢なやり方を徹底的に否定して人種差別を完全撤廃を求めたが傲慢な白人社会は有色人種の意見を否定しもう国連に未練はないと脱退したわ。それからというものの大日本帝国は大東亜戦争を起こして有色人種を救うために立ち上がったの、白人から見れば有色人種が侵略しているとされているけどどの面下げて言っているのはそちら側ではないでしょうかと私はいつも思う。大東亜戦争はやむおえないことではない、むしろ白人によって迫害されている有色人種を救うために立ち上がったのよ。でもいつ負けてもおかしくないけれどもそれでも勝利を信じて諦めていないわ。だからあなたも亡くなられたお父様とお母様に負けないような大和魂を強く持ちなさい!あなたならできます。私はそう信じて・・・」

祖母はリサに強くあれと優しく諭した。

「はいお婆さま・・・言って参ります。」

「気をつけて行くのですよ・・・!」

リサは友達のところへ向かい行こうとしたが一機の米軍飛行機が何某ら爆弾みたいなものを落としていた。

「なんだ今のは?」

「どうせ大したものじゃないだろうよ・・・」

広島の人はなんとも思わなかったがその瞬間!


ピカドーン・・・・!!!


1945年8月15日午前8時15分 広島に原子爆弾が落とされた・・・


その破壊力は凄まじく辺り一面を劫火と強風によって何もかも全て破壊した。

そしてリサも跡形もなく消し飛んでしまった・・・


そして真っ暗な場所の落ちるように下がっていったリサは普通なら泣くところだが大和魂を持った彼女に泣く余裕はなかった。

そして落ちた先にはなんと地獄であった。彼女は大罪を犯したわけではなく何がどうなっているのかわからなくなってしまった。

「ここは・・・どこに・・・」

リサは幼さ故に怯えているだけであった。

「おいお嬢ちゃん・・・」

「ひっ!」

一人の鬼がリサを見つけて呼びかけた。しかしリサは・・・

「こっちに来ないでくださいまし!」

初めてみる鬼に怯えて逃げていったが・・・

「待てよお嬢ちゃん!俺は閻魔様からの命令であんたを連れてきてくれと頼まれただけだ!」

鬼は事情を話しリサを納得させた。

リサは何が何だかわからなくなっていたが鬼が敵ではないことをわかったのでリサは鬼と共に閻魔大王のところへ向かうことにした。

そして閻魔城にて・・・

「そなたが高倉リサか・・・」

閻魔大王が鬼の形相でリサを見つめたがりさはなくどころではなくなぜ地獄に連れてこられたのか理解不能になっていった。

「まぁ急にここに連れてきたことに関してはすまないと思っているが・・・」

急に地獄の鬼たちがリサにひざまづいた。

「我ら地獄の者たちはそなたが来るのを待っていた・・・悪魔を完全に屠るものが・・・」

何が何だかわからなくなったリサであったが事情を理解し話し合った。

「なぜ私が選ばれたのですか?」

リサが閻魔大王に問う。

「実はこの世界は悪魔そのものに支配されているのだ・・・我ら神は悪魔との戦いに参戦したがある大悪魔によって我ら神は惨敗した。その悪魔は銀河系の神々とは全く別の銀河からやってきたもしくは宇宙そのもののような強さを持っていた。だから死んだ子供を我々が見つけて人鬼及び死神として人類に害をなく悪魔たちを人々から助ける人鬼とならんことを!」

閻魔大王の目には涙が流れていた。そのことを了承したリサは・・・

「わかりました・・・閻魔大王様の言っていることはなんとなくわかりました。そうとなった以上私は悪魔を徹底的に屠るために精進いたします!」

その後彼女は地獄で鍛えてそして・・・一人前の人鬼となった・・・グレンと名乗って。


そして現代・・・

いつまでも笑い続けているスピーカーを無視しているかのようにグレンはついに動いた。

「確かに他のものがそれを聞いたら怒り悲しむが私はお前の意見を尊重する。だが、言葉はちゃんと選べよ・・・!!」

その鬼の形相にルナールもスピーカーもゾッとしていった!

「く、くるな!それ以上近づくと爆破スイッチを・・・!!」

バゴン! グレンがスピーカーの顔に風穴が空くように一発ぶん殴った。

「これでお前が爆弾を押そうとしても死んでては全く意味を持たない・・・ま、私はとっくの昔に死んでいるからな。」

こうしてシャイターンフランス支部は完全崩壊した。

「あの・・・」

「なんだ?答えるなら早く言えよ・・・」

「私もついていってよろしいでしょうか!?もちろんお荷物になるのも足手まといになるのも覚悟の上で行きますが・・・!」

「・・・まぁいい、お前にも手伝いたいことがあるからな・・・」

こうしてグレンとルナールの悪魔退治の物語が始まったのだった・・・ 続く

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