第三章 〜 おばさん 〜
モーーー!
ヒヒーン!
べーーー!
『!!???』
突如、辺りじゅうに動物たちの大きな声が響き渡った。
雄紀は、はっと、目が覚めた。
そして、飛び起きた。
『
雄紀は、藁の上に白い布を敷いた上に横になっているようだ。
体の上には、軽く薄いシートの様な毛布がかけられていた。
『動物・・ここは・・納屋??』
『何があったんだ・・。 何で僕はここにいるんだ?』
雄紀は、現在に辿り着くまでに何があったのかを思い出そうとした。
頭の中が、モヤモヤの霧に覆われているようで何も分からない。
時々、自分が、ここに辿り着くまでに見たであろう景色がまるで写真の様な断片的な記憶のかけらで頭の中でフラッシュバックすらだけだった。
ふと、幼少の頃、ケーブルテレビで見たアニメを思い出した。
女の子がアルプスの山の奥の偏屈といわれるおじいさんと住み始める物語だった。
雄紀の頭の中にヨーデルが流れた。
雄紀は、雄紀の御祖母さんと、よく一緒にその番組を見た。
御祖母さんも、その時の雄紀と同じくらいの年の頃に、その番組を見ていたと言っていた。
それは、その時の雄紀の憧れの生活スタイルであった。
「お祖母ちゃん・・。」
雄紀がノスタルジックになりかけた、その時だった。
「目が覚めたかい? 良かったよ~。 最初は、死んでるのかと思ったよ。」
雄紀は、ビクッと声の方を見た。
そこには、雄紀のお祖母さんより、ちょっと若い感じの女性が立っていた。
その女性は、白っぽいローブのワンピース様な服の上に胸当てのあるエプロンドレスの様な服を着ていた。そして、少し頭の脇が白髪交じりになった薄い栗色の髪の毛を後ろでお団子状にまとめていた。
「どこから来たんだい?光らないところを見ると、ヘーゼルマン族かしらね。何があったんだい? あんな道端で、ひっくり返ってるなんて尋常じゃないねぇ。」
『ヘーゼルマン族? 族?』
そんな名前の部族のことは聞いたことが無かった。
『光らない?僕?どういうこと???光る人がいるの!? 僕は一体どこにいるの!?』
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