第8話「凡人騎士と骸骨騎士②」
骸骨騎士の討伐の依頼を受けた俺達一行。
エデンが持ってきた敵の情報にはスケルトンナイトと書かれていた。
しかもただのスケルトンナイトではない、二つ名持ちだ。
冒険者同様、モンスターも功績を上げれば二つ名を付けられる。
こいつの二つ名は“魂殺し”
倒した死体から魂を奪い復活できなくする所から付けられた。
「アンデッドって事は魔法の武器と魔法が主力になるのか」
「銀の剣も効くわよ」
「雑魚・・・ではないな。久々に楽しめそうだ」
―
俺達は度々襲撃が起きている場所・時間帯に待ち伏せした。
そして・・・ある程度時間が経つと、
パカランパカランと馬の蹄の音が夜道に響き渡る。
あのスケルトンナイトだ。
「油断するなよ!」
俺達は臨戦態勢に入る。
それを崩すかの様に突進してくるスケルトンナイトとその馬。
俺はまずエデンに命じて周囲を明るくしてもらうことにした。
「了解だ、ご主人様」
エデンが天に手をかざすと目がくらむ程の眩い光を放つ魔方陣が現れた。
魔方陣は天高く浮き上がると丁度いい昼間の様な明るさになった。
「これで敵が見える様になったわね」
「まずはあの馬をなんとかしよう」
俺はすれ違いざまに突進してくるゾンビ馬に攻撃を仕掛け一太刀浴びせた。
そしてレイアが銀の剣の一撃でとどめを刺した。
「さあいよいよ骸骨騎士の登場か」
少しというかかなりウキウキしているエデン。
こいつ戦闘狂だったのか・・・と少し俺は後ずさりした。
レイアは前衛に俺とエデンは後衛に回る。
俺は勿論アイテム係だ。
魂殺しの骸骨騎士、スケルトンナイトはエデンを見て驚愕している。
そりゃあ魔神が相手なんて誰だって驚きもする。
「マジンが相手とは光栄だナ!」
スケルトンナイトは物怖じもせず剣を抜く。
その剣には幾多の人間の魂が封じられ、禍々しいオーラを纏っていた。
「ダークブラスト!」
エデンは暗黒魔法を放つがスケルトンナイトはそれを耐えた。
どうやらアンデッドと暗黒魔法は相性が悪いらしい。
「はあああああああああ!」
続いてレイアの銀の剣による攻撃。
しかしスケルトンナイトは素早く肩をかすめた程度だった。
「ワタシの手番だな」
スケルトンナイトは達人級の動きでレイアを翻弄し一撃を加える。
レイアは致命傷じゃないが多少ダメージを負ってしまった。
「レイア、ポーションだ!」
「うむ、恩に着るぞ」
「おい、私にも使え」
「お前は無傷だろ」
「ぐむううううううう」
やっぱりこの魔神メイド妬いてるんじゃないか?
と、戦闘中だった事を思い出した俺は次の指示を出した。
「エデンはレイアに補助魔法を掛けてくれ!レイアは引き続き頼む!」
「仕方がない。エルフの小娘よ、大事に使えよ」
エデンはレイアに敏捷と強固の補助魔法を掛ける。
それも魔神級の最高クラスの物だ。
レイアは一時的にだが最高の防御力と敏捷性を手に入れたのだ。
そしてレイア自身もかなりの剣の使い手、勝負は決まっていた。
「オノレ!ならばソノ魂だけでモ!」
瀕死の深手を負ったスケルトンナイトは、魂殺しの剣は、油断していたレイアに捨て身の一撃を喰らわそうとする。
カキン!
二人の間に割り込んでエデンが指輪のはまった手で剣を受ける。
相変わらずダメージは無い。
「たぁああああああ!」
レイアは銀の剣でスケルトンナイトにトドメを刺した。
「エデン、大丈夫!?」
「あの程度、なんでもない(アレでもだめだったか・・・)」
自分を庇った?エデンに駆け寄るレイア。
一方エデンは何事も無かったかの様に凛とたたずんでいる。
そこには少し不服そうな表情があった。
しかし俺がその真意に気付くことはなかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます