第4話
アタシの結婚生活は、ダンナの暴力が原因で結婚して10日目にリタイアした。
ダンナは、アタシに対するDVと男を使ってレイプの被害を与えた事件でケーサツに逮捕されたあと取り調べを受けているが、モクヒしている…
アタシをレイプした男のグループが行方不明になっているので、捜査は難航を極めた。
ダンナとリコンしたアタシは、両親から『千鶴は結婚は無理だから、就職をしてお金をかせいでちょうだい!!』とメイレイされた。
この家には安定した収入をかせぐことができる人が不在であった。
だからアタシは、3人分の生活費を稼ぐために働くことになった。
アタシは、両親の知人からの紹介で遠州鉄道第一通り駅の近くにあるファミレスに就職した。
与えられた仕事は、チュウボウで皿洗いである。
そんなに難しくないお仕事であったけど、まわりについて行くことができずに苦しんだ。
次から次へと運ばれてくる汚れた食器を早く洗わないと、間に合わなくなる…
アタシはがんばって食器洗いをしているのに、上の人は『早くしろ!!』とか『ノロマ!!』などとバトウした。
その結果、ファミレスの仕事を3日でやめた。
アタシは、その後も職を転々とすることを繰り返した。
集中できない…
スピードが出ない…
動きがチンタラチンタラしている…
だから、ひとつの仕事が長く続かない…
アタシが仕事をやめたと言うたら、両親は『どうして(職場の店)をやめた!?』と言うて、アタシをバトウした。
『千鶴が働いてお給料をかせがないと生活ができないことが分からないのか!?』
『仕事が分からないのであれば教えてくださいと言えばいいのに…』
他にも、両親は『ノロマ』とか『グズ』とか『役立たず』…とアタシをバトウした。
そんな事ばかりが繰り返されたので、外で働くことがイヤになった。
だから職探しをやめた。
そうなれば、結婚するしかない…
けれど、すぐにリコンするからだめだ…
なんでアタシは、ダメ人間になってしまったのか…
原因は、通っていたコーコーが三流以下の学校だったからアタシはダメ人間になったのよ…
アタシは、中学3年の時にヘンサチが悪かったので受験勉強を投げた。
そして、そのまま中学を卒業した。
その後、父親の知人が私立高校の追加募集の知らせを持って来た。
アタシは、両親と一緒に追加募集の試験を受けに行った。
追加募集で私立高校へ行ったことが大間違いであることに気づかないまま、3年間過ごした。
高校卒業後、両親の言いなりになって家事手伝いをしながら結婚のチャンスを待っていた。
だからアタシは、社会経験がとぼしいダメな子になった。
今のご時世は、理想としている高収入で正社員の独身男性はきわめて少ない…
それを聞いた両親は、条件が悪くてもいいから結婚相手を探すと言うた。
アタシは、両親の言いなりになってお見合いをしたけど断られてばかりいた。
結婚の見込みがなくなると、両親は『やっぱり就職をしてお金をかせいでくれ…』と要求する…
外で働くことがコンナンになると、両親は『やっぱり結婚してくれ…』と要求する…
そんな事ばかりが繰り返されたので、アタシは生きる気力をなくした。
9月27日のことであった。
長期間連絡が取れなかった兄が、とつぜん実家に帰って来た。
兄嫁が弟を刃物で刺して死なせた事件でケーサツに逮捕されたこととひとり娘が施設に移ったことを両親から聞いた兄は『これで扶養義務はなくなった…』と言うて高わらいした。
その後、兄はアタシたち家族にこう言うた。
「おふくろ、おやじ…オレ…22年間がまんして働いていた総合商社をやめる…明日、職場に辞表を出しに行く…」
「総合商社をやめる…総合商社をやめてどうするつもりだ!?」
「職場はやめるけれども…10月3日から出向する予定だった信用金庫の支店に転職するだけ…今の職場に在籍したまま信用金庫へ出向はアイマイだから、いっそのこと辞表を出して転職することを選んだ。」
「そうか…なら、問題はない…」
「オレ…妻子をなくしてひとりぼっちになったけど…再婚しない…」
兄が両親にサイコンしないと言うたので、父はこう言うた。
「それでいいじゃないか…千鶴は結婚をしてもダンナと仲良くできなかった…(弟)はC子さんにストーカーしたあげくに命をおとした…」
母は、やさしい声で父に言うた。
「あなた…もういいわよ…アタシたち夫婦の教育の仕方が悪かっただけよ…うちの3人の子供たちはいい子に育たなかったのよ…千鶴の身の丈に合う相手はひとりもいない…(兄)と(弟)は、初めからお嫁さんをもらう資格がなかった…(逮捕された兄嫁)は、粗悪な家の育ちだったから(兄)は不幸になったのよ…」
母の言葉を聞いた父は、おだやかな声で『もう一度やり直そう。』と言うた。
アタシたち家族は、もう一度0からやり直すことにした。
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