綺麗な星に還るまで

鈴川 掌

序章 顛末

 一つの志を持つ者が居た、誰からも模範でありたいと。その為であれば自分はどれ程の苦境に立っても前を向き続けると、その行いを信じ貫き続けた。

 

 自分自身を理解している者が居た、決して自分が優れている訳でも、自分だけが特別ではないことを理解する。しかし自分だけが前に進む勇気を持っている事を、決して優れてはいないが勇気を持ち続けた。


 後悔し続ける者も居た、自分の命より価値のある人を死なせてしまったことを、故に後悔し続ける、後悔を止めふとした時に気づく、この行いこそが自分の命より価値ある行為だと信じて。


 夢を抱く者が居た、全ての人を守り助ける事はできないかと、憧れを前にそう思う、憧れる事それが自分の間違い。どれ程大変な事かも知らずに憧れてしまった、その行動の行きつく先は、誰も望まない物だとしても、たった一つの夢の結末を知ってなお憧れ続ける。


 謝りつづけた者が居た、自分の行動がどれ程大切な人を傷つけるかも知らずに、善だと信じ行動し続ける。自分の行いを顧みず全ての人に手を伸ばす事のできる、例えそれが誰一人望まぬ事であってもこれこそが自分だと。


 どれ程の犠牲があろうとも、今までの自分達のやってきた事が間違いではなかったと証明する為に彼女らは進み続ける。


 これは自分の意志で大切なモノを守りたいと願い、そしてその為に生きた者たちの物語。

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