僕の話

くじらのなみだ

夢そして目標

沢山のゆっくり落ちてゆく、輝く何かを必死に落とさないように集めた、だけどそれは僕の手の届く範囲じゃ全部拾えず、掴んだと思ってもこぼれ落ちてしまう、腕の中に残った僅かな輝きもやがて色褪せて散ってしまった、

散ってゆく光が涙に見えて肩が跳ねた、


身体の平衡感覚が一瞬無くなって違和感を感じる、明瞭じゃない思考で暫く考えて夢だと理解する、夢だと理解するとさっきまでの光景が消えてゆく、

その感覚が僕は好きだ、波打ち際の砂の城が崩れるような儚さが好きだ、

存在を否定するような無慈悲な物なのに、壊れてゆく物に僕もそうなれたらと羨むほどに。


「あぁ、良くないな」掠れた声で消極的なことを思い浮かべた自分に嫌悪感をもって独り言がこぼれた


のそのそ起き上がってはだけたパジャマを乱暴に脱ぎ捨てて適当なジャージに着替える、仕事の準備を始めようと時計を見るととうに針は8時を指していた、深く溜息を吐いて遅れる旨を報告するためスマホを取って連絡先を見るが上司の連絡先が消えてるのを見て、昨日仕事を辞めたことを思い出した、辛くてたまらなくてやめたのに、その実感も嬉しさも驚く程に湧いてこなかった、仕事で心が壊れたのか元々自分の感情が薄かったのか思い出せないほどに記憶は風化していた


スマホのホーム画面のまだ元気だった頃にとった高校のクラスメート達との写真と鏡に映る自分の顔を見比べて

随分老けたように感じる、そこまで時間は経ってないのにと虚しく思ったが、感傷にひたってばかりはいられないと心を切りかえて、これからどうするか真面目に考えることにした、

コーヒーをいれてすすりながら長い時間考えてもなかなか思い浮かばす、ふと気づいた時にはコーヒーは冷めきっていて時計の針は9の文字を指していた、もともと学生の頃から未来のことを考えるのが苦手だった、そもそも今生きてるこの瞬間が辛いし大変でいっぱいいっぱいなのに先のことを考えれるわけがなかった。


いつからか分からないが、人生に意味を見いだせなかった、そもそも大きいイベントはあれど10人中8人が普通だと思うような暮らしをする上で、大小のイベントはあれど学校や仕事と休みを繰り返して時を浪費するだけの意味の無い行動に感じてしまうのだ、

多くの人はその中に幸せとかやりがいを感じて頑張るのだろうが、僕はそれが理解できない、少しの幸せのために体や心を浪費して自分が壊れるなら死んだ方がマシだと思うほどに、


ふと思いついた時間は沢山あるし

仲良かった人、お世話になった人達に

会って話をしよう、そして満足したら死のうと。


まず最初に誰に会うか考えたが高校の時1番お世話になったし仲が良かった親友に会うことにした、

すぐにチャットアプリで久しぶりに話そうと連絡を送った


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