第6話 初めての魔物討伐
◇◇◇◇◇
朝から絶好調。
こんなに気持ちのいい朝は初めてだ!
リンドウ:「リオ。行くわよ。」
リオ:「はい!」
クリム「リオ!リンドウ!いってらっしゃい!
また、泊まりに来てね。」
街の門を出て、近くの魔物の森に向かった。
街から西の森は比較的低級の魔物が多いらしいので、そちらに向かった。
◇◇◇◇◇
リンドウ:「リオ!スライムがいるわよ。」
リオ:「う!はい。魔物は初めて見ました。
意外にかわいいんですね。」
リンドウ:「そうね。でも、油断しちゃダメよ。どんな魔物でも人間よりは強いからね。
3匹は狩っておくから、残りの1匹をリオがやりなさい。」
そう言うとリンドウはスライム3匹を瞬殺して、
この世界は魔物を狩ると魔心と言う鉱石のようなものをドロップし、光の粒になって消滅する。稀にアイテムもドロップするが激レアの確率である。
魔心は魔物のランクによって大きさが変わり、買取金額に反映される。スライムやゴブリンはEランクの魔物なので魔心は小さい。
では、食糧はと言うと野生の獣は消滅せずにそのまま残るので、その肉は食糧になる。
冒険者ギルドでは、魔物の魔心と獣の肉などが買取対象だが、肉は嵩張るので荷物持ちがいないとあまり持ち帰れない。
ただし、魔物がまだ狩れないランクの冒険者以外は、食糧調達の時以外はなるべく狩らずに放置しておくのがマナーになっている。
リオは剣を構えてスライムと対峙している。
リオがスライムに斬りかかる!
遅い!!ものすごく遅い!!圧倒的遅さ!
スライムの体当たりカウンター!
リオ:「うわー!」
リオが吹っ飛ぶ!
それをリンドウが抱き止めて勢いを吸収することで最小限のダメージに抑える。
リンドウ:「リオ!大丈夫?」
リオ:「はい。なんとか。ありがとうございます。
スライムってこんなに速いんですか?」
リンドウ:「うーん、リオが遅すぎるって話だけど……。
まあ、初心者はこんなもんかしらね。
神剣持ちだから、当たれば一撃のはずだけど、この分だと当たらないわね。」
リオは凹んだ……。
防御力アップと物理耐性のおかげでダメージはあまり無さそうだが、攻撃が当たらないことにはどうしようも無い……。
リンドウ:「いいわ。ちょっとずるいけど。
私がスライムの体当たりを弾いた瞬間に後ろから剣を突き刺しなさい。
リオ。常にスライムの後ろにいて剣を前に構えて立ってなさい。」
リオ:「はい。こうですか?」
リンドウ:「うん。それでいいわ。行くわよ。」
リンドウがものすごくゆっくりとスライムに斬りかかる。スライムは体当たりカウンターを炸裂するが、それをリンドウは弾き飛ばす。
スライムはリオの方に一直線に向かってきた。
リオは、剣を前に突き出した!
遅い!!ものすごく遅い!!圧倒的遅さ!
全然タイミングが合っていない!
リオの体にスライムが激突してリオが後ろに倒れるが、かろうじて剣先がスライムに当たってスライムは消滅した。
これがリオの初めての魔物討伐。
ものすごくブサイクな初討伐であった。
リオ:「あ!リンドウ!やりました!」
リンドウ:「うんうん。良かったね〜。」
リオ:「やった〜!」
リオは喜びでものすごくはしゃいでいる。
ほとんど、リンドウの助けによるものだが、冒険者に憧れて、でも諦めていたリオにとっては、ものすごく嬉しい出来事であった。
リンドウもそれを微笑ましく眺めていた。
リンドウ:「リオ!初めての魔心よ。拾いなさい。」
リオ:「はい!」
リオは極小の魔心を拾った。
リオにとっては記念すべき第1号の魔心。
改めて感動するリオ。
リンドウ:「リオ!感動しているところ悪いけど、突きの練習よ。ちゃんと当てられるように鬼特訓を開始します。」
リオ:「はい!」
それから、今日は討伐は一時中断して、リオの鬼特訓が始まった。
ひたすら、突きを繰り返し、リンドウが都度指導して修正を繰り返している。
リオはひたすら突きの練習に没頭している。
リンドウが休憩の合図を出すまで、ひたすら繰り返している。リオは自ら止めようとはしないので、リンドウが倒れる前に合図を出すと言った状況だ。
ヌルメ亭で包んでもらった昼食を食べてからもひたすら突きを繰り返している。
リオは素直さと努力の才能があるらしい。
リンドウもそれには感心していた。
◇◇◇◇◇
もうそろそろ日が暮れそうになったので、最後にスライム再戦をすることに。
リンドウ:「リオ!いたわよ。構えなさい。
全部で4匹いるから、全部行くわよ。」
リオ:「はい!」
リンドウが順番にリオに向かってスライムを飛ばして行く。
リオ:「やー!」
鬼特訓の成果があって、リオはスライムを一突きに討伐成功!
リンドウ:「次!」
リオ:「やー!」
リンドウ:「次!」
リオ:「やー!」
リンドウ:「ラスト!」
リオ:「やー!!」
リンドウ:「ふふふ。リオ!上出来よ。」
リオ:「はい!う!気持ち悪い……。」
リンドウ:「リオ。ちょっと休みなさい。
だいぶ早いけど、女神の加護があるからね。
たぶんそれはレベル酔いだと思うわ。
初めてのレベル酔いは結構きついからね。
まあ、これも冒険者は誰もが通る道よ。
おめでとう。」
リオ:「はい。う!」
スライム5匹でレベルアップは破格の成長の速さだ。
リオは少し休んで回復を待った。
リオ:「ふぅ。もう大丈夫です。」
リンドウ:「そう。じゃあ、ステータスを確認してみたら?」
ステータスオープン!
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リオ・ルナベル 13歳
レベル:2
最大生命力:32
最大魔法力:30
戦 闘 力:21
防 御 力:28
瞬 発 力:8
〈スキル〉
・火魔法系統
ファイアボールLV1
・水魔法系統
ウォーターボールLV1
・耐性系統
物理耐性LV3
魔法耐性LV1
精神耐性LV4
毒物耐性LV1
〈固有スキル〉
マイ・ガチャ
〈加護〉
女神ナスヴィーの使徒
〈従者〉
リンドウ・ササキ〈サムライ〉
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リオ:「リンドウ!レベルが2になってます!」
リンドウ:「ふふふ。良かったわね。」
リオ:「やった〜!」
リンドウ:「じゃあ、今日はもう街に戻りましょう。
明日、また来ればいいからね。」
リオ:「はい!」
今日は初めての魔物討伐に加えて、初めてのレベルアップと2つの初めてをゲットして、意気揚々のリオが街に凱旋するのであった。
◇◇◇◇◇
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