第2話 ダンジョンマスター
『貴方はこのダンジョンコアのマスターとして登録することが出来ます。登録しますか?』
俺は「はい」と心のなかで返事をしてみた。
その直後、丸い珠が激しく点滅したかと思えば、俺の額に光の線が伸びてきた。
その途端俺の頭の中に二頭身の前髪パッツン黒髪セミロングヘアに眼鏡の女性秘書キャラがお辞儀をしながら
『登録が完了しました。このコアのマスターは高藤 悟となります。コアが破壊されるかダンジョンから持ち去られるかされてしまうと権利が無くなりますので注意してください。』
と説明してきた。
どうやら俺はダンマスになったらしい。
『この度ワタクシがチュートリアルのナビゲーターを務めさせて頂きます。しばらくの間お付合いのほどよろしくお願いします』
何かナビゲーターとか言ってるパツコさんがチュートリアルとか何とか言っている。
チュートリアルとはよくゲームとかで初期の動かし方や、ゲームの進め方など実践しながら色々教えてくれるシステムのことであろう。
ダンジョンマスターの仕事?も所詮はゲーム感覚で制作していけばいいのだろうか。
そんなことを考えていると
『パツコさん?とは何のことでしょうか…まぁまずは初期ポイントがありますので、ダンジョンを制作するエリアを確保してみましょう』
頭の中で考えた事は筒抜けなんだろうな…どういったテクノロジーなのか?などは考えるまでもない、直接脳に語り掛けられてるのだから当然だと思う事にしよう。
それより初期ポイント?エリアを確保する?そちらの単語のことを頭で考えていると
『ダンジョンを運営していくとには、ダンジョンポイント(以下DP)が必要になって来ます。ダンジョンを作るためのエリアの掌握、その掌握したエリアから間接生命エネルギーを回収し、DPに変えて掌握エリアとダンジョンを拡張して行ってもらいま。掌握したエリアの地下にしかダンジョンは拡げて行けませんので、まずはエリアの掌握から始めてください。ダンジョンを制作し、ダンジョン内に人が入ることによって、直接生命エネルギーを回収していく事ができるようになります。そう成ればダンジョンコアは成長し、運営は軌道に乗っていくと思われます。』
コアが成長?この珠が大きくなっていくのか?それはまあどうでもいいか。
それより生命エネルギーを回収?誰かを殺せと?
『いえ、間接的に回収する際は誰も死なず、誰も気づかず、エリア内に生息する、ある程度の大きさの生き物から、微量のエネルギーを回収し、ポイントに変換していきます。生命エネルギーは一晩寝れば回復致します』
それって元○玉じゃね?と
『当然人が密集している場所の方が効率よく、元気○…もとい生命エネルギーを回収して行くことが出来ます』
……まあ良しとしよう。
『間接的に回収するよりも、直接回収したほうが圧倒的に効率は良くなります。ただ直接回収するには当然ダンジョンの中に生物が入ってきてもらわなければならず、難易度はかなり高くなります』
『ダンジョン内に生物がいる限り、外にいるときより多く生命エネルギーを回収することが出来ます。ダンジョン内で生物が死ぬと、フルで回収することが出来、更に魂の回収も行う事が出来ます』
コッワ!なにそれ!めっちゃ怖いこといってるよ……。
『生物の死と言っても、ポイントを使ってダンジョンにモンスターを放ったり、トラップや迷路のような作りにして、長時間ダンジョン内に滞在させるような工夫をすることにより、直接命を奪うのではなく、間接的に……あれしちゃえば良いと言うことです』
それは聞かなかったことにしてと…。
ダンジョンにモンスターを放つ事も、まあよくある話ではあるんだろう。
『はい。ダンジョン内にはDPを使ってモンスターを放つ事が可能となっております。モンスターが生物に傷を付けることが出来れば生命エネルギーを多く回収する事が出来ます。』
と言うことは強いモンスターを用意すれば良いという事ですね?
『それは愚策です。いきなり強いモンスターがいるダンジョンに誰が入りたいと思いますか?入口付近には弱いモンスターを配置して徐々に奥に誘導していくのが運営のコツとなっております』
確かに定番では入口付近はスライムやゴブリンとか雑魚モンスターが居ることが多い。
作戦だったのか?でもモンスターを倒して進むには何のメリットはあるんだろうか?普通は宝箱や魔石集め、貴重な鉱石などが手に入るから皆奥を目指すのだろうけど
『当然メリットを設定するのがダンジョンマスターの仕事でもあります。この世界では存在しないアイテムや魔法スクロール、スキルブック、魔石など。魔石はモンスターを動かすためのバッテリーのような物で、モンスターを倒せば手に入ることがあり、エネルギー革命になること間違い無しです』
人間が魔法や戦闘スキルが使えるようになるという事か…人類の次のステージへの進化にも関わって来るってことにもなるのか。
という事は俺の病気もまさか……。
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