第13話 救われぬ想い
教会の鐘が今日も虚しく響く。
あれは叔母が亡くなった日、小雨が降り注ぐ初冬。
もう愛を込めて私の名を呼ぶ人は居ない。
嗚咽を絞り出しながら白いユリの花をむしる。
手にはあかぎれと酷い火傷の跡。
それでもいきていかなければと、空っぽになった瞳で嗤うわたしにはもう何も見えてはいなかった。
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