第9話 #恋という字を使わずに失恋を表現する
こんな寂しい想いをするためだけに、あなたに出逢ったわけではないのに。
降りはじめた雨は激しく窓を叩く。
まるでこの世の終わりが来たかのように。
グラスの中の氷は溶け切り、美味なはずのカンパリさえもがわたしを苛んだ。
朝は遠く、闇ばかり満ちてた。
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