第7話 いってらっしゃい、藍里ちゃん

なんか憂鬱。今日から学校だよ。

あっという間。


ママはいいわよ。今日はお休みでしょー。

ほんとママったら休みになるとだらしないんだから。


ママがお風呂入っていったから言えるけどなんで時雨くんはママが好きになったの?


なんでって……て、


すぐ言えないの?


こういうこと聞くと時雨くん、顔真っ赤。わかりやすいし揶揄いやすいっ。


いいよ。

わかってる。

ママのこと本当に好きなんだね……。


ああーバイトと宿題やってたらあっという間に夏休み終わっちゃった。


でも退屈じゃなかったよ。時雨くんいたし。


えっ、お弁当作ってくれたの?

お昼は購買のパン買おうかなーとか近くに弁当屋さんあるからそこで買おうと思ったけど……。


え、開けちゃダメ? 

でも実は中身知ってる。

匂いしたもん。


卵焼き、絶対入ってるよね?


なになに、笑って。

卵焼きは入ってる。ジューって音がしたし。

あとなんだろう。


秘密って……


気になるぅ。

あとはウインナーとかぁ、なんだろう。

おにぎり? 

唐揚げ、スパゲッティ、ひじき煮、ミートボール、ささみフライ、ゼリー、フルーツ……りんごとか……って私の願望。


そんなに入らないよね。


楽しみは取っておく。

本当はすぐにでもこれ開いて中見たいけど見たら食べちゃいそう。


……あ、もうこんな時間。

食べなきゃ食べなきゃ。初日から遅れるなんてダメだし。


いいよ、食べ切る。残して夜に食べると味が落ちちゃう。

せっかく時雨くんが作ってくれたんだし。美味しいいい、鯖の味噌煮ぃー。


あ、お弁当にも鯖フライ入ってたり?



その顔は当たった……。当たったね。


あ、もう時間ない!

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