恋人の娘が可愛すぎるのだが。

第3話 買い物道中

私もこの辺最近引っ越したばかりだからよくわかんないけど……カーナビって便利だね。ママの車にもついてるんだけどさぁ。ママったら方向音痴なの。カーナビあっても迷うんたから。

神奈川にいた頃も大変だったー。あの辺ぐちゃぐちゃしてて。

こっちも車の数多いしママはそれが嫌だから滅多に車に乗らないから……

買い物も仕事帰り慌ててしてくるしね。

しょうがないか……って時雨くんはママから私たちのことどこまで聞いているか知らないけど。

そう、そこまで聞いたんだ。ママったら素直に話しちゃうから。言わなくてもいいことも。

でもそこまで知っててくれたらホッとするよ。

ママ、パパにひどいこと言われてさ。

あ、私は言われてないけどね。

なのにママにはたくさん……。

好き同士で結婚したのになんで好きな人からひどいことたくさん言われて傷付かなきゃいけないんだろう。

……だからママはわたしと一緒に神奈川に逃げたの。で、また地元の隣の県に戻ったけど……知らない土地だし。

……て、時雨くんもまだこっちにきたばかりだよね。名古屋よりも不便でしょ。

まぁ贅沢は言ってられないや。

いくらママが時雨くんを家事夫さんとして雇うとか言ってたけどさ。

恋人を雇うって、笑っちゃうよね。

……。

逃げる前まではママはずっと家事してたんだけど、全くしなくなっちゃったもん。

時雨くんは……優しい。

パパも優しいんだよ、わたしには。

ごめん、運転中に話しかけちゃ。

……。

見てるのもダメかな。

あ、ついた。ここ、ここ。

食材と、掃除道具も買ってこないとね。帰ったらいい加減ママも起きてるよねー。