ポーターが戦闘できないって誰が言った!?
健康中毒
第1話 追放されちゃいましたっ!
「ユージ、おまえを追放するっ!」
「はぁ。」
「そーゆう態度がムカつくんだよっ!」
「俺もこのパーティーについていくのに限界感じてたから。
(主におまえらの態度に)
そろそろこのパーティー抜けようと、最近ずっと考えてたことなんだ。
こういう話の流れになっても、驚くことなんて何も無いさ」
【成人の儀】で俺が【
あのときリーダーのオジールが声をかけれくれたから、同じ村から来たという幼馴染3人と一緒に冒険者となり【成人の儀】から10年いっしょにやっていけた。
突然この世界に呼び出されて右も左もわからない自分を引っ張ってくれた恩はもちろん感じている。
有難かったんだ。
嬉しかったんだ。
だから、胸を張ってこのパーティーの一員でいられるように努力してきた。
パーティーのためになることだけ考えてきた10年だった。
だけど、【戦士】オジールが【上級戦士】から【天戦士】に昇格してパーティーもBランクに上がり『光の覇道』にパーティー名を替えた頃には、今思えばもう修復できないぐらいの亀裂が入っていたのだと思う。
元々向上心が高かったオジールがパーティーを引っ張る強さから「遅れた者は置いていく」方向へとと舵を切り替え、おそらくその流れで斥候職のケールを追放した。
オジールの幼馴染で初期メンバーのひとりでもある【治癒士】のキューサを追放したときは「正気か?」と真剣に心配したけど、この頃は俺も社畜化してたんだと思う。
この世界、『回復職』の地位はかなり低い。
なにせ、ポーションがあれば切り飛ばされた腕も繋がるのだ。
つまり、骨折や骨が見えるような切り傷を1日数回癒せるヒーラーを連れて行くより、同じ程度の傷を癒せる金貨1枚(約10万円(※俺調べ))のポーションを本数揃えて持ち込むほうが上という考え方も当然ある。
オジールのいないところでキューサと話をしてみたけど、彼女も冒険者を辞めて村に戻って治癒院でも開きたいと将来を語っていたので、強く引きとめることもしなかった。
俺がいなくなった『光の覇道』は、【天戦士】オジールと【氷雷魔術士】イノア、【姫騎士】シャリア、【重戦士】ピンス、【賢者】ティーキー。
俺の代わりに斥候職でも入れないとバランス悪い脳筋パーティーになりそうなんだけど、まあいいか。
イノアとオジールは仲いいけど、それ以外も全員女性で固めて特別好かれてるわけでもないハーレム風味グループ作って嬉しいものなのかね。
華やかではあるけど、俺だったら居心地悪いな。なんとなく。
――――――――――――――――
P.S.
キューサ、イノア、オジール、な。
最近のケールは品種改良で苦味がほとんど無いのでまずくないのです。
ほうれん草的に炒めものにして食べられるぐらい。
罰ゲームにも使えない、ただの緑の健康汁。
シャリアピンステーキは和食です。
ちなみに追加の3人はざまあ騒動に巻き込まれてもそれほどひどい扱いにはならない、はず。
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