剣聖の息子だけど剣の才能がないので武闘家やってます

@zundayan

第1話 アスク

最初はただ、魔力が多いだけの白だった


神はそこに大地を作り、次に海を作った


そして大地の上に人間を4種、作った


人間達はどんどん繁殖していったが、繁殖するだけで文明は中々発達しなかった


これを憂いた神は人間達を助ける為の生命である天使、悪魔、竜を作った


それから文明は段々と発達していき、今の我々の世界が形成されてきた


_____________________________________________


創造神である〈グラスティア〉によって造られた世界〈アマルティア〉


〈アマルティア〉には多数の大陸が点在しており、そのうちの一つ、五つの国に分けられた大陸〈バラガン大陸〉がある。


魔族が住む国〈カルディナ〉

妖精が住む国〈フェアリシア〉

獣人が住む国〈ベルロア〉

竜人が住む国〈ドルドラン〉

ヒューマンが住む国〈アルバ〉


この物語は国の一つであるアルバから始まる...


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白く輝く甲冑に身を包んだ男が街中を歩く。

その男はどうやら街の人から好かれているようで、すれ違うたびに「あら、騎士団長殿」だったり「ハクア団長!今日の夜はうちの居酒屋に来てくれよ!」など明るい挨拶を浴びていた。


ハクアと呼ばれたこの男が向かう先は冒険者達が依頼を受ける為に利用するギルド、そこにいる親友に依頼の書類を届ける為だった。


ハクアがギルドに入ると冒険者達が依頼を受ける為に受付に長蛇の列を作っていた。


ハクアは受付の女性に親友の居場所を聞こうとした、が聞こうとする前に「アスクさんなら二階のソファで寝てますよ!」と言われてしまった。


「どーも」と軽く会釈をしながら階段を上がり目的の男をみつける


「起きろ、アスク。騎士団長である俺が直々に依頼を届けにきてやったぞ」


そう言ってハクアはソファで横になっていた男の顔に書類を投げつける。


「ふぁ〜あ、もうちょいマシな起こし方してくれよ。こちとら昨日の依頼で疲れてんだよ」


アスクは大きな欠伸をしながら起き上がり、投げられた書類に目を通す。


「んだコレ、勇者様の護衛ぃ?」

「そうだ、近々炎の勇者であるユーリ殿が遠征に出かけるらしい。お前にはその護衛を頼みたい」


アスクは一通り書類に目を通すとソファの目の前にある机にその書類を投げつけた。


「パス、俺は護衛系じゃなくて討伐系がやりてぇんだよ」


どうやらアスクは依頼の内容が気に食わないらしい。


「そういうな、勇者の護衛なんだ。報酬もその分増える筈だ」

「ふーん...」


アスクが興味なさげにしていると、階段を、いわゆる魔法使いの格好をした女性が上がってくる。


「アスク、お前の嗜好を理解しているハクアがわざわざ持ってきた依頼だ。何かお前に利益のある内容なんじゃないのか?」

「アリアさんお久しぶりです。実はその通りなんですよ」


アリアと呼ばれた女性はアスクの隣に腰掛けた、どうやらアスクとアリアはパーティを組んでいるようだ。


「俺にとっての利益って何だよ?」

「もしもお前が依頼をこなした暁には、Gゴールド(この世界における通貨)に加えてあのSランク冒険者で冒険者ランキング2位の〈アーサー〉と手合わせさせてやる」


その言葉を聞いた瞬間、アスクはソファから立ち上がる。


「...マジか?」   「マジだ」


アスクの目の色が変わる。

どうやら報酬がお気に召したらしい。


「よっしゃ!!千載一遇のチャンスじゃねぇか!俺がSランクに上がるための!!」


冒険者にはそれぞれランクがある。

一番下がCランク、冒険者になりたての者達で

ゴブリン等低ランクの魔物の討伐依頼が多い。

次にBランク、それなりに腕がたつ冒険者。

Bランクになると一人で通常のオーガを倒せるレベル。

次がAランクで今現在アスクがいるランクがここ、人間の中でもかなりの戦闘能力を有する者達がいる。

Aランクになると大陸を移動しての依頼の受注ができるようになる。


そして頂点に存在するSランク。

このランクには現在10名しかおらず限られた人間しか到達することのできない領域になっており、Sランクになると自分で〈クラン〉の設立が許されているのだ。


※この世界におけるクランは小さなギルドのようなものであり、ギルドの認可がおりればギルドの仲介無しに直接依頼を受けることができる


「どうだ、この依頼うけるか?」

「当然だろ、こんな美味い話、そうそうないぜ」


Sランク2位であるアーサーと戦いアスクの実力が認められればアスクもSランクに昇格できる。


アスクは喜びに震える。

それもそうだ、アスクの目標である『個人でも、クランでも世界で最強になる』という目標に大きく近づけるのだから。



「遠征の日は3日後だ、それまでに体調整えとけよ〜」


そういってハクアはギルドを出て行った。


「やるぜ相棒!絶対アーサーに勝ーつ!!」

「落ち着け、まずは依頼のことだけ考えないか」


二人はギルドを出て宿泊している宿屋へと向かった。






運命の歯車は今、回り始めた...

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