第4話 幼馴染は襲う

「んー……? ただ遊びたいだけだったんだけど、ダメだった……?」


 ……ここに来て純粋な上目遣いやめてください。

 なんか罪悪感湧いて来ちゃうでしょうが!


「……わかったよ。で、何をするんだ?」


 俺の言葉を聞いて、美鳥は笑顔が弾けた。

 ……チョットカワイイノガハラタツ。


「夜伽!」


「帰れ」


 俺は美鳥を部屋の外に放り出して、鍵を締めた。


「ちょ、待って!冗談だってば!」


「ハイハイソウデスネ-」


 美鳥がドンドンと扉を叩きながら叫ぶ。

 しかし、俺は一切開けるつもりはない。

 俺は無視してベッドに横になった。


「……もー、宗太郎がそんな事するならボクにだって考えがあるんだからねー?」


「へー、頑張れー」


 ガチャリンコ。


「ガチャリンコ?」


「てーい!」


「ぐえぇ!」


 突然俺の体に衝撃。

 どうやら美鳥は俺に飛び乗ったらしい。

 いやそれ以前に……。


「お前、どうやって鍵開けた!?」


「残念だったな。トリックだよ。」


 とかほざいてる美鳥の手には鈍く光る銀色の鍵があった。

 お前それまさか……。


「合鍵!?」


「ピンポーン!」


 まさに狂気の沙汰である。何故そこまでして夜伽したいのか理解に苦しむわぁ。

 しかし、そんな事を考えている間にも、美鳥はどんどん迫ってくる。


「さあ宗太郎……覚悟は良いよね……?」


「良くないです」


「そっか……ま、いいや。無理矢理襲ってあげるから」


 そう言った美鳥の目はハイライトが消えた。

 モウヤダコワイタスケテ。


「……い、嫌だ! 離せ! 」


「宗太郎……諦めなよ……。もう……誰も止められない……」


 美鳥はそう言って妖艶な雰囲気を醸し出し、俺の上に馬乗りになる形になっている。

 そして、ゆっくりと顔を近づけてきた。


「おいちょっと待てお前何するつもりだ!?」


「ナニって……決まってるじゃん」


 そう言って美鳥はニッコリと笑った。

 安定のお目々真っ黒笑顔なんだけど。


「既成事実を作るだけだよ」


 ……あかん、これあかんヤツやん。




 結局、焼けたケーキを持ってきた紗月さんにより俺は救われた。

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