第55話 まだ、することがあるようです

隣の部屋は綺麗に整っている。

俺は不思議だ。

ここを掃除するのか?

されてるよな?

ルヴァイルへ質問する。

「ここ、片付いてないか?」

「ここでしてほしいのは!」

リヴァイルはえっへんとする。

部屋の隅に地球儀がある。

地球儀?

リヴァイルは、説明する。

「ここでね、この地球儀をまず、ちゃんと回るか確認をして、次に布でふいてほしいの」

「これは何に使うんだ?」

「多くの異世界の人が来たから一人一人どこにいるか分かるようにしてるの。この赤い点が異世界の人なの」

「へー。そうなのか。何かちゃんとしてるな」

「異世界へ来て、あとはポイなんて出来ないわ」

「今初めてリヴァイルのこと尊敬した」

「初めてって何。初めてって」

「いや、なんか人に壺持たせて自慢するとか、それで壊れて俺にこうやって手伝わせるとか何て奴だと思ったけど、しっかりしてるなって」

リヴァイルはムカッとする。

「あら?もっと手伝ってもらおうかしら」

「あ…………俺……余計なこと言った……」

「そうね、余計ね。はい。やってー」

俺は地球儀を回して、ふいていく。

「うう………他には何をさせられるんだ……」

リヴァイルはやってくる。

「終わった?」

「終わったけど……」

「じゃあ、次はこれ」

俺はその日一日手伝うことになった。

ようやく帰れる。

リヴァイルは俺へとニコリとする。

「ありがとね!また手伝ってもらうから」

「えーーー…」

「え?」

「なんでもない………」

怖い。

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