第29話 出会いました

俺は次のクエストを探しに行く。

その道の途中で。

「さあさ!私はレアアイテム探しの女の子。さあさ、私がいるとレアアイテムが出やすくなるんだから!そうして私を守り、レアアイテムをよこしなさい!ほらあ!」

青色の髪をお団子にした異世界風の何だかとてもかわいい感じの白系の服を着た少女。

腕組みをすると、ふふんとどこか自信ありげに笑う。

「ふふん!この私のために戦うパーティーを探してるわ。ほら!レアアイテムよ?」

彼女は言うが誰も近寄らない。

「どうして誰も来ないのよ!?」

俺も通り過ぎる。

きっと、みんないくらレアアイテムを取れるとしても

「この私の盾になるのよ!?誰かいないのかしら」

人を盾にしようとするやつに人が集まるものか。

「むむう」

俺は、彼女と目が合ってしまう。

うそお

彼女は俺の前に来る。

「あなた!アタシとパーティーを組み、私の盾となり、倒れなさい!」

「…俺急いでるから」

「ま、待ちなさい!どうしてよ!?アタシはレアアイテムを出しやすくなるのよ!?」

「性格じゃね?」

「はああ!何よそれ!もう、ほらパーティー組んでよ!一人だと倒せないからこの力意味ないのよ!」

「俺行くんで」

ガシッと後ろの服を掴まれる。

「だめよ?離さないわ!アタシはラララ。よろしくね!」

おいおい、何か勝手に

「ねえ、あなたは?」

ガシッと掴まれてる。

「離せ」

「あなたは?」

「盾なんてやだから!はなせい!」

俺はよろける。

何だか柔らかい。

俺は顔を上げるとそこにはラララの顔が近くて、俺はラララの上に………

「ご!」

いきなり顔にビンタが飛んできた。

俺は吹っ飛んでいく。

「ぐほっー!!!」

「何するのよ!あ、あんたもう!!……も、もう!私がいくら魅力的だからって………も、もうこ、これは…ぱ、パーティー組むしかないわね!」

「何でだよ!?」

俺は倒れながら言う。

「昔から言うでしょ!?相手を倒したらパーティーを組むって!」

「知らん!そんなの!」

ラララはヒソヒソと話す手の動作をする。

「ふふふ……レアアイテムは高く売れるのよ?」

「………………な!それは!」

「ね?」

俺はうなずく。

「よし、組もう!」

これでミラに家賃を渡せる!生活も安定!

よっしゃあ!

と、思った俺はやはり世間を甘く見ていた。

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