第23話 悪口はやめましょう

次の日

ギルドで。

俺はコソコソ言われる。

「なあ、あいつ知ってるか?レベル1なんだってよ」

「まじかよ。レベル1?もうそろそろ5ヶ月くらいいんだろ?いるんだなー」

何か悪口いわれてるう

「えー。あいつ弱」

「冒険者とかやめろって感じかわいそう」

ヒソヒソか。

まあいいか。

クエストを探す。

「何かないかな」

そこへその悪口を言う男に肩を組まれる。

「おいおい、レベル1くん。ちょっと来いよ。クエスト探してんだろ?」

「い、いや俺は」

「ほら早く来いよ」

俺は路地裏へとつれてかれる。

「おめーさ、カードあるだろ?かせろよ」

「え」

「カード、カード」

「いや、あの」

男は怒鳴り出す。

「ああ!?貸せっていってんだろ?返すからよお」

「貸せよお」

現実世界みたいなことするやつは異世界にもいるんだな。

俺はぽけーっとする。

男は俺へと拳を向けてきた。

俺はぶつけられる。

「素直にわたしゃいいんだ。クソガキが」

「そうそうー」

ぐっ、渡してたまるか。

渡して………

俺は、男の足につかまる。

「ミラに、…家賃を払うんだ……だから」

「うっせーんだよ!レベル1が!」

そこへ、誰か来る。

「何してるんですか?」

冷たい鋭い声。

俺は足に掴まる。

「おめえ!」

「あなたは!」

誰だ?

「私はミラ・ブロッサム。その人は私が保護をしています」

男は焦る。

「うっせえな!ミラだからって!」

男は拳を向ける。

が、ミラはフワッと路地裏の壁を踏みつけることで飛ぶ。

そうして、男を蹴り飛ばす、ではなく前にフワッと降りてきて目を合わせる。

「あなた方。この辺りでみたことありませんね。カードを提示することを求めます」

男たちは出さない。

「そうですか。カードのご提示ができないなら、」

ミラは黒のローブの中からピシリと縄を取り出す。

そして、二人を囲むようにすると、縛り付けた。

「うわああああ許してくれえええカード今停止されてんだよおお。前回もカードとろうとしてえええ」

俺は思う。

自分が悪いじゃないか。

もう一人も泣く。

「戻りたくないいいいいい!始まりの町がいいいい!」

二人はつれてかれしまった。

俺はミラに絆創膏を顔に貼られる。

「大丈夫ですか?」

「お、おう。別に!俺は……一人でも……無理でした」

ミラは俺の頭を撫でる。

「すみません。もっと早くに来れれば」

俺は顔が赤くなる。

「あ、あの…………俺……。」

「は!近寄ってこないでください!」

「近寄ったのそっちじゃん!」

ミラへとお礼をいわないと。

「…………あ、………あ、りが………ありがと………」

ミラはニコリとする。

「はい。」

その顔はとてもかわいくて、俺は何かドキドキしてうつむいた。

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