第2話「無口なレンタル彼女」
【白のワンピース、スカート丈は短めでお願いします】
と書いて送信した。
スカートの丈まで指定するのはやりすぎかな?
変態だと思われたかな??
デートを断られたりして?
ハラハラしながら返信を待つ。
相手から【了承しました】の返事が来てホッと息をつく。
その後、振り込み先といつまでに振り込むかが書かれたメールが届いた。
俺はすぐにハンバーガーショップから出てATMから料金を振り込んだ。
四万円+交通費実費三千円か、誕生日に女の子とデートするのにもお金がかかるんだな。
レストランをキャンセルした方が、絶対に安かった。
しかし俺の中で二十歳の誕生日を、狭いアパートの中で一人で過ごしたくない気持ちの方が強かった。
料金を払ったのに当日葵ちゃんが来なかったら俺は泣く。
そのときはレストランで二人分の食事をやけ食いしてやる!
明日のことが期待で胸が膨らんでその日は眠れなかった。
そして誕生日当日、待ち合わせの場所に三十分も前についてしまった。
そわそわしながらまっていると、俺の前に一人の少女が現れた。
サイトで見た顔写真の少女と同じ顔をしている。
少女は長い黒髪をツインテールにして白いリボンを結んでいた。
少女の履いている膝上十センチはあるスカートが風にふわふわと揺れ、ミニスカートから生える生足が眩しかった。
清楚でなおかつエレガントだ!
本当に白のミニスカワンピを着てきてくれたんだ。嬉しいな。思わず顔がほころんでしまう。
葵ちゃんは胸は少し小さいけどウエストが細くて足がとても長かった。サイトの写真は顔写真だけだからスタイルはわからなかったんだよな。
モデルさんみたいだなぁ。実物の方が写真の百倍は秀麗だ。
というよりそのへんのアイドルより千倍は可憐だ。
こんなに愛らしい子と四万円で四時間もデートできるの? 凄い時代だな。令和に生まれてよかった!
「もしかして葵ちゃん……ですか?」
俺が尋ねると少女はこくんとうなずいた。
「えっと俺、デートを依頼した
俺が自己紹介したら女の子は驚いた顔をしていた。
「はじめまして、これから四時間よろしくお願いします」
と言ったら葵ちゃんに冷たい視線で睨まれた。
あれ? もしかして怒ってる?
だが、美少女になら睨まれてもいい! 美少女は怒った顔もキュートだ!
葵ちゃんをエスコートしてレストランに向かう。
利用規約に手を繋いだり腕を組むぐらいならしてもいいと書いてあったけど、葵ちゃんが怒ってるみたいだから辞めておこう。
手を繋ぐために事前にウェットティッシュで入念に手を拭いていたことは内緒だ。
食事の最中、葵ちゃんは一言も喋ってくれなかった。
食事の後はカラオケに行く予定なんだけど……もしかして俺が一人で歌うことになるのかな??
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