孤独な僕ら。

日向灯流

　孤独な僕ら日向灯流

　序章

　みなさんは、『ランサムウェア』というものをご存知だろうか。『身代金要求型ウイルス』と言い換えれば、イメージしやすいなと思う人もいるかもしれない。映画なんかで出てくる、コンピュータウイルスの一種だ。

　ランサムウェアとは、その名の通り身代金を要求してくるコンピュータウイルスであって、PCのファイルを暗号化し、その暗号化解除コードを教えて欲しくば金を払えというもので、いわゆる「人質」は「自身のPCのファイル」なのだ。

　ここまで聞いていると、なんだか聞いたことがあるかもしれないと思った人もいるかもしれない。二◯一七年に「WannaCry」というランサムウェアが世界中で大流行したことも有名な話だ。

　一五〇の国で流行し、二三万台のPCに感染、ビットコインを要求した。なぜビットコインなのかというと、振込先の身元特定が難しく、犯人を見つけにくくするためで、多くのランサムウェアに使われている手法である。この場合、身代金を払うべきなのか、という質問や疑問を多く見受けるが、払うべきではない。では、それは何故か？犯人に高額な金が渡れば、更なる強力な感染力を持ったランサムウェアの開発、大規模なサイバー攻撃・戦争の引き金になるからだ。大人しく専門業者に連絡し、対応をしてもらうことがいい。

　一番は、そもそも感染しないことである。しかし、実は感染した側にも問題があることが多い。