第10話


 放課後すぐに、大戸は源一郎に声をかけた。「ごめんなさい、実はあの本読んでないんだ…。しかも本当はあれを借りたのって」「もう良い」源一郎は大戸の言葉を遮った。

「帰りながら魔術について色々教えてやろう、大戸隆太」

「あ…うん。これからさ、高橋くんのこと『源くん』って読んで良いかな」

「『源くん』? …まあ、別に構わんが」

「そういえば源くんって本当に魔法使えたんだね」

「当然だ、我を誰だと思っている」

「いや当然ではないんじゃないかな…」


 魔王の息子に、あだ名ができた。

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先に征服するはずが! 山木 拓 @wm6113

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