ゾンビの蔓延る世界で勇者の子孫である俺だけが魔法を使える
アイル
第1話「始まり」
始まりの合図は母さんの電話だった。
プルルルル
プルルルル
ガチャッ
「もしもし母さん?」
「今すぐ逃げて! ハヤトッ!」
受話器から聞こえたのは切羽詰まった母の声だった。
「そんなに慌ててどうしたんだよ……」
ガッ
「うるさ」
電話の向こうから突然の衝撃音。
おそらく母さんがケータイを落としたのだろう。
直後、電話の遠くの方で誰かの悲鳴が聞こえた。
「母さん? 母さんっ!」
ザザッ ザッザッ ザーーーーーーーー
そこで通話が切れた。
かけ直しても応答がない。
母の職場にも電話したが何故か繋がらない。
「くそ! 何でだよ」
仕方なく自分の足で母の職場まで向かおうと財布を持ち、玄関の扉に手をかけた。
その時。
「ぐッ」
突如、体に痛みが走る。
心臓の辺りが燃えるように熱い。
「はぁはぁ、何だよコレ」
そうして、ハヤトは扉にもたれかかるように意識を失った。
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