第3話もしも、こんな肛門科があったら

「次の方、お入り下さい」

「あい、今日はどうしたの?」

「ちょっと、お尻が痛くて」

「いつから?」

「二週間前からです」

「じゃ、診てみましょう。ベッドに乗って、うつ伏せに」

「はい」

「ちょっと、肛門見るからズボンずらして」

「あ~あ~、おたく結構、きたねぇケツしてるね。あ~、これね。だいぶ、痛いでしょ?」

「は、はい」

「はい、分かりました。ズボン元に戻して」

「先生、痔でしょうか」

「おたく、今日、ご家族は?」

「いえ、1人で来ました」

「おたくねぇ、告知するのもナンだけど、相当深刻だよ」

「な、何の病気でしょうか?」

「聞きたい?」

「はい」

「イボ痔」

「なんだ、良かった」

「ノンノン。イボ痔が広がって、歯槽膿漏にもなってんの。ちょっと、ハーッしてみな」

「ハーッ」

「うわっ、くっせ~。口からケツまでくせ~わ」

「よく、妻にくさいと言われます」

「先ず、イボ痔を手術して、歯槽膿漏を治療だね」

「手術ですか~」

「早くキレイなケツになりたいでしょ?おたくの今のケツ、相当きたねぇよ!顔まできたねぇ」

「先生、顔は生れつきですが」

「整形もした方がいいよ」

男はイボ痔を手術し、歯槽膿漏を治療し、整形して退院したらしい。

この医師はスーパードクターYKKと呼ばれている、伝説の男であった。

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