第4話撮影会

いよいよ撮影会当日。僕は朝から心が躍っていた。

今日までにカメラの練習もしたし、普段行かないオシャレな美容院に行って髪を切った。さらに新しい洋服も新調した。

洋服を何着ていこうか昨日の夜遅くまで迷った。

前回のイベントの時とは違う服装にすることは決まっていたが、どれも捨てがたく、結局朝まで悩んだ。


悩んだ挙句、洋服は決まりいざ会場へ。

場所は地下鉄の蔵門線の十段下駅にある。有名なライブ会場がある駅だ。

初めての場所なので、早めに着いて場所だけ確認した。受付は10分前からスタートなので、それまでの時間は近辺で時間を潰した。


10分前になり、受付をする。撮影会は基本1部毎になっており、全部で6部ある。今回僕は2部に参加。人によっては複数予約する方もいる。

橋本智美さん以外のグラビアアイドルの方もいるので、そのファンの方も何人かいた。既にカメラを持って待機している。いかにも高そうなカメラを持っている。僕も受付を済ませて、カメラを準備する。


撮影開始の時間になり、グラビアアイドルの皆さんが入場。その中でも橋本智美さんは別格だ。オーラが違う。さすが殿堂入りグラドル!

各撮影スペースにスタッフが案内をして、タイマーがなったらスタートの合図。

橋本智美さんに会ったことある人は本人と楽しそうに会話をしている。羨ましい。僕も早くあそこに入りたい。


スタートの合図がなり、撮影会スタート。

今回橋本智美さんの撮影会に参加していたのは僕も入れて6人。僕は3番目。

他の人の撮影スタイルを見て勉強しながら、モデルさんの短い時間でのポージングを変えるところに見惚れていた。

いよいよ僕の番が来た。


「お願いしまーす!」と橋本智美さんが元気よく挨拶をする。

僕も「お願いします!」挨拶を返す。

シャッターを切りながら、橋本智美さんが話しかけてくれる。

「初めてですか?」と聞かれたので、「撮影会は初めてです!この間写真集のイベント行きました!」と元気よく伝える。

「本当に!ありがとう!」と智美さんも嬉しそうに返事してくれた。


撮影会、楽しい!という気持ちになってきてテンションも上がってきた。

すると後ろからいきなり、「あの〜。」と声を掛けられた。

「はい?」と振り向くと、「先日うちのお店でカメラ買いましたよね?」と言われた。

どこかで見たことある顔だ。

そう。カメラを紹介してくれた高橋さんだった。なんという偶然。

思わず「あっ。」と声が漏れた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る