話外 しんこんりょこう 序章

 注意。序章なので短いです。


 ――えっと、それで。バカンスに行きたいわけですか。


!」


 ――ご自分の力で、いい感じにプランニングしちゃダメなのですか?


「こういうのはツアコンと相談して決めるものなのにゃー。全部自分で決めたらサプライズもなーんにもないもん。それじゃあ面白くないー!」


 ――たしかに一理ありますね。というか私、ツアーコンダクターなのですか……。


「うん。だってにゃあの神さまだし。というわけで、お願いなのにゃー」


 ――うーん、偉大なる混沌にそんなふうに持ち上げられると断りづらいですねぇ。


「にゃあー。お願いなのー」


 ――わかりました。では、プランの方向性を大まかに教えてくださいね。


「えっとねー」



 ほんのりと優しい後光を湛える、栗毛ロングでソバージュヘアの神さま。

 見た目は一桁後半。女児というよりむしろ幼女。ぷにぷに手足。白のワンピース。


 相変わらずロリ化したままの、ナイスな主神さまと私が内緒話した三日後。

 自室のベッドで、私とマリーがにゃあにゃあした後のこと。 



「マリー。明日、に行こ!」

「新婚旅行っ!? えっ、突然すぎない!?」

「旅行中は上皇陛下ママが執務を代行してくれるにゃし」

「――えっ、そんな。オレ、ついて行ったらダメなのかっ!?」

「うわっ。お義母さま、どこから……!?」

「セラーナとベッドの下でそなたらの百合百合仲良しを音声で楽しんでいたのじゃ」

「えぇ……」


上皇陛下ママ。夫婦で行くからしんこんりょこうなのよー」

「……側室たちは? というかオレも旅行に行くなら普通についていきたいんじゃが? どうせ世界を跨いだ、異世界どころか他世界へ飛ぶつもりじゃろ?」

「だめー」

「そこをなんとか」

「にゃあはマリーとだけで行くの。マリーがにゃあの中で一番大事な人だから」

「うう……オレ、寂しい」

「……上皇陛下ママとは今度、母娘旅行に行くのはダメ?」

「そなたらがコソコソと作っている惑星エメスとやらに連れて行ってくれるなら」

「んー」

「お義母さまなら、良いのじゃないの?」

「これ以上ロリ成分を加えるとホントに120パーセント幼女の星になるんだけど」

「諦めなさいな……造物主を模倣するアベルの情熱はとどまるところを知らないわ」

「幼女の惑星……どんな星なのか想像するだけでワクワクするな!」


「ところでカミラ。あとでちゃんと他の子側室たちのフォローはしなさいよ?」

「とある貴族と百人の愛人たちみたいなことにはならないよう気をつけるにゃー」

「それってどんな話?」

「一人だけ依怙贔屓えこひいきしたら、その貴族と愛人が残りの99人に惨殺される話だねー」

「……ホント、あとでちゃんとフォローしなさいよ?」

「うんっ」



 そんな閨での会話を経て。

 ちなみに上皇陛下ママとも夫婦で百合百合っとヤりました(余計な情報)。


 次の日、深夜。


 お日柄も良く、中天に三つの衛星がそれぞれ綺麗な三日月を模って。

 もはや言うまでもなく、吸血鬼は基本的に夜行性なのだった。私とマリーと神さまが自室、旅行出発間近。上皇陛下が見送りに来てくれている。



「気をつけてな。あとお土産忘れずにの?」

「うん、上皇陛下ママ

「はい、お義母さま」

「それじゃあお二方、出発しましょうねー。題して、ミステリー新婚旅行」

「えっ、待って待って。ミステリーって何? 新婚旅行にミステリー要素ある?」

「何が起こるか分からにゃい旅行にゃし!」

「えぇ……?」



 焦るマリーをよそに、彼女の手を引く私はツアコンのロリ神さまに付いていく。


 そんなこんなで。



「「「行ってきまーす!」」」



 神さまは神気を使って私たちを転移させた。大体のプランは伝えてはいるが、それを神さまはどのように面白く計画を練ったか私は知らない。



「楽しみにゃー♪」

「そこはかとなく不安が……」




【お願い】

 作者のモチベは星の数で決まります。

 可能でしたら是非、星を置いて行ってくださればと。

 どうぞよろしくお願いします。

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