いつも・いつまでも

たから聖

第1話 その日

俺……河上ひろし、、、

16歳。ただいま絶賛憧れ中!!


パワフルな歌声のシンガーソングライターこと、

兼、女優の吉川美玲に一目ぼれ

してしまったのだ。



彼女の歌声は、聴く人聴く人

全てを魅了する。そして

その甘いボイスと持て余す容姿


俺は、テレビ番組で一目見たとき

から、いつしか彼女の出ている

テレビをチェックするように

なった。



高校でも、話題の中心になる

吉川美玲は男子生徒の

闘争心を駆り立てる程に……


その存在は、圧倒的であり。


《美玲信者》も居るほどだ。




『俺が一番、最初に美玲さんを

見付けたのに。』


と……哀しい見栄を張る。

美玲さんのファンは、またたく間に増えていった。



美玲S,ファッションも

雑誌に取り上げられるほどに

なってくると、、、


吉川美玲は一気に

スターダムにのし上がった。



俺は嬉しい反面、寂しさを

覚えた。吉川美玲は俺だけの

女神だったからだ。



部屋で、毎日

吉川美玲のアルバムを聴いていると美玲信者の友人、


阿久津から電話が入った。




内容を聞いて、俺は現実の世界に

降り立った女神、


吉川美玲のコンサートに

幸運にも呼ばれる事となった。


『俺の気持ちを汲んでくれている

阿久津は、良いやつだ。』


コンサート当日の為に

着ていく洋服をチェックすると


なかなか、決まらない。



俺は、まるで彼女とデート

でもする様な感覚に陥っていた。



~吉川美玲に、俺の気持ちを

必ず伝えてやる!!~


髪型もファッションも

キメキメで行くぞ。





阿久津は、美玲信者の割には

芸能人と一般人だからと言って

線引きをする割とキチンとした

ファンだった。



でも、阿久津の体から発せられる熱量は、とても凄い。

真剣に応援して、真剣なファン

だった。



コンサートまで

後、わずか……俺と阿久津は

指折り数えて



吉川美玲のコンサートに

学校で、女子からの人気NO.1の阿久津、


NO.2の俺と競い合いながら、

当日に向けて

お互い、張り合うかの様に


男を磨いていた。





そして…………コンサート当日

!!



大きなドーム会場に

俺達2人は、姫を迎えに行く

王子の様な気持ちで




その日を迎えたのであった。







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